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「……ごめん、忘れてた。クラークがいて気まずかったでしょ？」
「いえいえ！クラークさんって言うんですね。……っとっても可愛かったです」
私が正直に言うと、ナワーブとノートンは「またか」みたいな顔をして天を仰いだ。
「お前な……分かってると思うが、俺らは男で、しかもお前よりもかなり年上の人間だからな」
「いや……でも可愛いですよ。特にクラークさんとナワーブさん」
ノートンがそれを聞いて後ろの方で肩を震わせていた。
ナワーブは頬を膨らませると、私の隣にどかっと座った。イライはよく状況が分かっていないらしく、ニコニコと笑みを浮かべたまま首を傾げていた。
「まあまあ……おいおい説明するとして、今日は彼女のお悩み相談会だから、ね」
ノートンがお菓子がのせられた皿を私の前に置きながら、優しく微笑んだ。
そうだった……。
すっかり忘れていた私は、胸を締め付けるような緊張感に胸をしかめた。
「悩み事は誰かに相談すればいい」と言われるが、いざ相談するとなると、こんなに不安になるとは思わなかった。
「そうそう……。だから占い師であり、人の話を聞くのが得意なイライを呼んだんだ」
「ちゃ……ちゃんと説明してくださいよね」
突然、天使と二人っきりにされた私の気持ちを考えろ。
ナワーブは悪い悪いと笑いながら、イライを説明してくれた。勿論、私が「占い師・イライ＝クラーク」を良く知っていることはナワーブもノートンも承知だ。
だが、イライはそうではない……よな？
……どうしてイライは私が鏡から出てきたときに抱き留めるような真似をしたんだろう。
そう思って彼の表情を窺うと、にこっと微笑んでくれた。
「それじゃあサベダーさんが言っていた、心配な女性とは彼女のことなんだね。やっぱり」
「ああ」
「……にしても、キャンベルさんも気にしているとは驚いたな」
話を振られ、ノートンは歪な微笑みを浮かべた。
「……優しいよね、君」
誰とは言わずとも自分に向けられて言葉だということは分かっている。
私は知らず知らずのうちに、持ってきた鞄の取っ手を握りしめた。
優しいのはあなたです。
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トバリ - ミルクケーキ@ﾄｼさん» ありがとうございます。更新、頑張らせていただきますね。 (2020年10月6日 18時) (
レス) id: 1296928d7f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクケーキ@ﾄｼ(プロフ) - 好きです！更新頑張ってください！！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» ありがとうございます！こちらだけでなく、短編まで！嬉しい限りです。 (2020年9月17日 22時) (レス) id: 12a0f93b04 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - 新作呼んできました！とっても面白くて・・・いつか短編集じゃなく中編として出してほしいくらい！更新頑張ってくださいね！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» 誤字報告、ありがとうございます。とても恥ずかしい間違いをしてしまいました……////。いつもご愛読、ありがとうございます。 (2020年9月13日 12時) (レス) id: 43b40f5855 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トバリ | 作成日時：2020年8月8日 19時
