実感する毎日 ページ24
妊娠四ヶ月、まだ目立たないけど少しだけ?出てきた。
って、鏡を見て思った。
「ほら、写真撮ろ」
『ん』
鏡の前に立った私達は、横向いて剛典がスマホを片手に写真を撮る。
毎日こうやって、まだ見ぬ子供の成長を楽しみにしていた。
「楽しみだね」
『ん』
寒い季節から、春を迎える。
私達は顔を見合わせると、自然とキスを重ねて。
「準備しよっか」
『うん』
私達は今日も変わらず仕事だ。
服を着替えて、それぞれマネージャーさんが迎えに来た。
「俺、今日から帰り早くなるからご飯一緒に食べよう」
『うん、分かった。
行ってきます』
「行ってらっしゃい。行ってきます」
『行ってらっしゃい』
私達はそれぞれ車に乗ると、お互いの仕事場に向かった。
マネ「四ヶ月でしたっけ、妊娠」
『はい……』
マネ「子供の成長は楽しみよね。
特に初めての子だと、こうやって成長するんだって思うし」
『そうですね』
今のマネージャーさんは悪くないんだろうけど、
前の人の件であまり話せない私。
マネ「今日の仕事は、ご主人にも送った仕事通りだから安心してね」
『はい』
私はメッセージを確認する。
今日は、音楽番組収録と、バラエティ番組の収録がある。
それからは新曲のミーティング。
マネ「それじゃ、頑張ろっか」
『はい』
スタジオに着いた私は、荷物を持って楽屋に向かう。
一人の楽屋なので、テーブルに荷物を置いて、そそくさと準備だ。
『リハって何時です?』
スタッフ「坂本さんは、11時15分です」
『ありがとうございます』
本番は13時15分。
時間はまだ余裕だ。
スマホを確認すると、案の定彼から連絡が届いてた。
『……』
私はマスクで隠れてるのを良いことに、少し笑った。
実は籍入れて一年少し経過してるけど、
未だに彼のことが好きだなと実感する毎日。
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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年7月4日 0時