八十の巻 わっちと通い妻(キュウビver.)�� ページ43
キュウビ「ぜぇ…ぜぇ…、はあ…」
「阿呆狐や。次はあの空中でユラユラ揺れるカラクリに乗りたいでありんす。」
キュウビ「ちょ、ちょっと君…さっきからジェットコースターやら垂直落下やら、何で心臓に悪い乗り物しか乗ろうとしないんですか！！」
「いやはや、ただのだだっ広いだけの敷地だと思うておったが、意外にも楽しいでありんすね？特に早い乗り物はとても面白い」
キュウビ「その度に死にそうになる僕の気持ちも考えて下さいません！？こんなんじゃ僕の心臓が持ちませんよ！もう！！」
「だから休憩も兼ねてこの…観覧車？という乗り物にわざわざ乗っているのでありんしょう？高い景色は空を飛んでいるときに見飽きているというに…」
キュウビ「君は何も分かってませんねぇ…。これは外に出られない密室空間で、男女が甘い雰囲気を漂わせながら一時を楽しむ……それがここの醍醐味なんですよ！！」
「ほお、成る程。…では一つ、」
ーーーーギィ…ドサッ。
キュウビ「！うわ！？ちょ、いきなりこっちに移動しないで下さ『この体勢なら、それっぽい感じになるであろう？』Σ//////！？」
Aが移動した所為で観覧車は傾き、自然と僕達の距離は近くなる。
Aの綺麗な顔が自分のすぐ隣にいて、不覚にもドキッとする。
「成る程。このカラクリにはそういった意図が含まれてたのでありんすか…」
そう言って彼女は何の前触れもなく僕の手を両手で握りしめてきた。
キュウビ「！ちょ、ま…！い、いいから少し離れて『暖かい…』へ…？」
「わっちと違って、ぬしの手は人に化けても暖かいのでありんすな？…わっちの手は、こんなにも冷たいというのに……」
繋がれたAの手は自分の手よりもはるかに小さくて、冷たく…無機質だと感じる。
ジッと繋がれた手を見つめるAはどこか虚ろで、何故だか僕は背筋が冷えた。
キュウビ「…A、知ってますか？人間達の間では有名な話なんですけど…手が冷たい人は、心があったかい人を指しているらしいですよ？」
…咄嗟に思い出した事を伝えれば、その瞳に虚ろさが徐々に無くなり、ホッと息をつく。
「…わっちは人ではありんせんよ？」
キュウビ「例えばの話ですよ。…さ、地上に着きましたよ、お姫様？」
手を差し伸べれば、彼女は珍しく何も言わずに僕の手を握って観覧車を降りた。
？「……ようやく、会えましたね」
頭上に浮かぶ影に、僕達は気付けなかった。
八十一の巻 わっちと白銀の犬→←七十九の巻 わっちと通い妻(キュウビver.)
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吹雪@元百鬼蘭.° - おおっ!後編ですか…!!楽しみに待ってます!(^^* (2015年10月28日 0時) (
レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
ドS王子LOVE - 夢主かっこいいです！オロチとか超かわいい！更新頑張ってくださいね！ (2015年10月11日 12時) (レス) id: 52660d2b3d (このIDを非表示/違反報告)
加州 - 最新頑張ってください...楽しみにしてます(にっこり (2015年10月9日 23時) (レス) id: 000de04641 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼蘭.° - おぉ！一人称がここの夢主さんと同じだ！！嬉しいぞ！(^^* (2015年10月6日 22時) (レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
くぅさん - 犬神は...犬神はは一体黒狐のなんなんだｧｧ！！更新楽しみに待っています！ (2015年10月4日 2時) (レス) id: 09a2c937ed (このIDを非表示/違反報告)
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