七十八の巻 わっちと通い妻(オロチver.)�� ページ41
オロチ「……あの日の夜も、このような夜桜が咲き乱れていましたね」
当時の事を振り返ると、この妖魔界の桜の木も、随分と懐かしい物のように感じる。
「そうじゃなぁ…。あの後わっちら二人ともエンマにこっぴどく叱られたでありんしたね」
オロチ「『そんなボロボロになるまで戦う馬鹿がどこにいる、もっと自分の事を大切にしてくれ！！』…なんて言ってましたけど、正直涙と鼻水をボロボロ流しながら怒っても逆に反応にこまりましたよね…；」
「ぐしゃぐしゃの顔のまま抱擁された時は正直勘弁して欲しかったでありんすよ。…まあ、エンマもまだ幼くて妖気も充分に操れんおぬしに任務を言い渡したことの負い目もあったのじゃろう」
オロチ「そうなんですか？…まあ、私としてはそれがきっかけで、姐様の元で修行するよう言い渡されましたのでどうでもよかったんですけどね」
私はあの頃妖力をコントロールするのが苦手で、いつも戦いは力任せに、破壊衝動の赴くままに全てを壊して暴れまわっていた。
無意味に人間や妖怪を襲い、血と泥にまみれながら暴れ狂う私をエンマが倒した後も、私の心は満たされる事なく、ただ空虚な日々を過ごしていた私は…きっと心が既に死んでいたのだろう
…だが、姐様と出会った事で、私の全てが変わった。
初めて力押し以外の戦い方を学んだ。
初めて季節に咲く花々を美しいと感じた。
初めて暖かい食事を食べた。
そして……
初めて心の底から守りたいと思える方に出会えた。
オロチ「…A姐様、一つだけ…私のお願いを聞いてはくださいませんか？」
「？なんじゃ」
オロチ「もし、A姐様の身に危機が訪れた時は、大ガマ殿や土蜘蛛殿、そしてあのキュウビよりも先に…私に助けを求めて欲しいのです」
「ほお？呼べばぬしが助けに来てくれるのかえ？」
オロチ「勿論です。私は姐様の為なら、たとえどんな敵が相手でも、必ず姐様を守り抜く自信と覚悟があります」
そう、だから私は今まで力をつけてきたんだ。
姐様を守るのは私一人で充分だ。
絶対誰にも譲らないし、譲る気もない。
でも不安は拭えないから、姐様の口から、確固とした証が欲しいのです。
絶対その隣を、誰にも渡さないという証拠が…
「…分かった。では約束をしよう？指切りげんまんじゃ。…絶対わっちを守っておくんなんしよ？」
オロチ「！はい！必ずや！！」
互いの小指を絡め、二人は誰ともなしに笑い合った。
七十九の巻 わっちと通い妻(キュウビver.)→←七十七の巻 わっちと通い妻(オロチver.)
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吹雪@元百鬼蘭.° - おおっ!後編ですか…!!楽しみに待ってます!(^^* (2015年10月28日 0時) (
レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
ドS王子LOVE - 夢主かっこいいです！オロチとか超かわいい！更新頑張ってくださいね！ (2015年10月11日 12時) (レス) id: 52660d2b3d (このIDを非表示/違反報告)
加州 - 最新頑張ってください...楽しみにしてます(にっこり (2015年10月9日 23時) (レス) id: 000de04641 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼蘭.° - おぉ！一人称がここの夢主さんと同じだ！！嬉しいぞ！(^^* (2015年10月6日 22時) (レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
くぅさん - 犬神は...犬神はは一体黒狐のなんなんだｧｧ！！更新楽しみに待っています！ (2015年10月4日 2時) (レス) id: 09a2c937ed (このIDを非表示/違反報告)
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