七十四の巻 わっちと通い妻(大ガマver.)�� ページ34
「大ガマ、まだ着かぬのでありんすか…？」
大ガマの長い買い物が終わり、次はどこに行くのかと思えば突然キウチ山に連れてこられた。
未だに抜けない雑木林を足元に注意しながら歩くわっちに対し、大ガマは余裕のある表情で振り返る。
大ガマ「後もう少しだ！！着いたらAめっちゃビックリするはずだぜー？」
「随分と自信がおありのようでありんすね？」
大ガマ「まあな。…お、見ろ！あそこが出口だ！！」
光をつけた途端に雑木林を走る大ガマ。
目の前が途端に明るくなり、そして次の瞬間には……
「………これは……」
色とりどりの花が咲き乱れた美しい花畑が眼下に広がっていた。
大ガマ「綺麗だろ？ここは周りが木で覆われてるから、人間達もこの場所を知らないんだ。…だからここは、俺専用の秘密の場所だ」
「……素敵な所でありんすね」
大ガマ「ああ、俺も初めてここを見つけた時は驚いたもんだ」
「ほんに美しい所じゃ。……こんな美しい場所があるなど、あの頃では想像もつかないでありんす」
大ガマ「あの頃…？というと、お前の生前の話か？」
「……あの檻のような所で一生を終えたわっちにとって…外の世界など無縁なものでありんした。」
こうして外の世界に自由に踏み出せるようになってからも、時々考えてしまう。
……夜の世界しか知らない自分は、この光ある場所は不釣り合いなのではないか？……と。
大ガマ「…じゃあさ、俺がもっとお前をいろんな所に連れてってやるよ」
「！……え…？」
大ガマ「そうだなあ、川が綺麗な所か、はたまた歓楽街にするか…今度電車使って遠出でもしてみるか？」
「お、大ガマ？一体なにを…」
大ガマ「お前が昔どんな風に生きていたかは知らねえけど、んなもん過去の話だろ？なら自由になった今をとことん楽しめ！遊びつくせ！」
「！…そんな、こと…突然言われんしても…」
大ガマ「もし行きたい所が分かんねえってんなら…俺がお前を何処へでも連れて行ってやる。」
「！…大ガマ……」
大ガマ「俺はお前に紹介したい所がいっぱいあるんだ。…だからよ、二人で一緒に沢山外を見て見ようぜ？」
わっちに手を差し伸べる大ガマは、今までの天真爛漫な笑顔ではなく…とても頼もしい顔で笑っていた。
「……ええ。こんなわっちでよろしいなら、何処へでも連れて行っておくんなんし」
空に舞う花弁の中で立てた誓いは、まるで永遠の愛を誓うそれに、どこか似ていた。
曲狩音ルイ様のリクエストです！→←七十三の巻 わっちと通い妻(大ガマver.)��
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吹雪@元百鬼蘭.° - おおっ!後編ですか…!!楽しみに待ってます!(^^* (2015年10月28日 0時) (
レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
ドS王子LOVE - 夢主かっこいいです！オロチとか超かわいい！更新頑張ってくださいね！ (2015年10月11日 12時) (レス) id: 52660d2b3d (このIDを非表示/違反報告)
加州 - 最新頑張ってください...楽しみにしてます(にっこり (2015年10月9日 23時) (レス) id: 000de04641 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼蘭.° - おぉ！一人称がここの夢主さんと同じだ！！嬉しいぞ！(^^* (2015年10月6日 22時) (レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
くぅさん - 犬神は...犬神はは一体黒狐のなんなんだｧｧ！！更新楽しみに待っています！ (2015年10月4日 2時) (レス) id: 09a2c937ed (このIDを非表示/違反報告)
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