七十の巻 わっちと断片 ページ30
シャラ、シャラ…………
歩くたびに頭の簪が揺れて音が出る。
熱い、熱い……ここは一体何処でありんすか…
何故わっちはこんな所を歩いてる？
何故わっち以外誰もいない？
何故わっちの周りはこんなにも燃えている？
何故こんなに……わっちの頭の中を怒りが支配している……？
キュウビ「そういえば君って、どうして妖怪になったんだい？」
……先程まで痛んでいた頭痛がひき、目を開けばわっちの事情も知らずに隣にいる阿呆狐がわっちに問いかける。
「……何故それを聞くでありんすか？」
キュウビ「だって君って、この世に未練とか無さそうじゃない？僕達妖怪は産まれた理由はそれぞれ違うけど、根本はこの世に未練があるのが理由じゃないか。…君って何か未練があるのかい？」
「………さあ？そんなもの、もうとっくの昔に忘れてしまいんしたよ」
キュウビ「え、そんな事ってあるんですか？だって自分のことですよ？例えば不慮の事故や病で逝っちゃった事が原因とか…」
「自分が逝った理由など興味もありんせん。逆に聞くが、ぬしは何百年も前の出来事を今でも鮮明に覚えているのかえ？」
キュウビ「はあ？それこそ忘れるっていうか、そもそもなんの思い出も無いですよ…；」
「ならばわっちが忘れているのもまた同じ事じゃ。自分がどんな理由で、何を思ってこの世にいるかなど、わっちからしてみれば興味も浮かばないのじゃ。」
キュウビ「いやそこは自分の事だから一応気にかけなよ…；」
「飢餓や不治の病やら人斬りがはびこっていた時代じゃ。わっちの死んだ理由など、憶測はいくらでもたてられるでありんしょう？」
キュウビ「まあそうですけどねぇ…。でも忘れてるって、怖くないですか？」
「怖い…？何故そう思うのじゃ？」
キュウビ「だってさ、自分が逝った理由を覚えてないって変だと思わないかい？そりゃ中には覚えてない奴は多少いるけど、君みたいに綺麗サッパリ忘れてる奴なんていないだろ？」
「……だから何だと言うのじゃ？」
……何故じゃ。何故こんなにも胸の中が騒つくのじゃ…。
こやつの話を、最後まで聞いてはいけない気がする。
キュウビ「だからさ、なんかそれって………
誰かが人為的に、君の記憶を消したみたいな感じに思えないかい？」
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吹雪@元百鬼蘭.° - おおっ!後編ですか…!!楽しみに待ってます!(^^* (2015年10月28日 0時) (
レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
ドS王子LOVE - 夢主かっこいいです！オロチとか超かわいい！更新頑張ってくださいね！ (2015年10月11日 12時) (レス) id: 52660d2b3d (このIDを非表示/違反報告)
加州 - 最新頑張ってください...楽しみにしてます(にっこり (2015年10月9日 23時) (レス) id: 000de04641 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼蘭.° - おぉ！一人称がここの夢主さんと同じだ！！嬉しいぞ！(^^* (2015年10月6日 22時) (レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
くぅさん - 犬神は...犬神はは一体黒狐のなんなんだｧｧ！！更新楽しみに待っています！ (2015年10月4日 2時) (レス) id: 09a2c937ed (このIDを非表示/違反報告)
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