六十五の巻 わっちと夢の味 ページ21
大やもり「じゃあA、そろそろ始めるよ？」
女郎蜘蛛「安心して。今日は一晩中私達がついてるからね？」
「うむ。ぬしらがいてくれるなど、こんなにも頼りになることはありんせん」
わっちの手を握ってくれる女郎蜘蛛の手を握り返せば、女郎蜘蛛は優しく微笑んでくれた。
バク「よし、ではいくぞ？」
ハァア〜、とバクの鼻から噴出された白い煙を吸い込めば、わっちの意識は瞬く間に落ちていき…
そのまま目を静かに閉じた。
ーーーーーーーーーー
大やもり「…A、ぐっすり眠ってるね」
バク「当然じゃ。わしのガスに抗える者などどこにもおらんからの」
女郎蜘蛛「ありがとうねバク？こっちのお願いを聞いてもらっちゃって…」
バク「よいよい。夢を喰うのがわしの仕事だからな…と、来たようじゃな」
Aの身体からもくもくと出てきた煙。
しかしそこには……
大やもり「？何も映ってない…？」
女郎蜘蛛「変ね？これが出てくるってことは、Aは今夢を見ているはずよね？」
バク「恐らくこれは、A自身が夢を拒絶して見せないようにしているのかもしれん…」
大やもり「夢を拒絶…？」
バク「たまにいるのじゃ。悪夢ばかりを見すぎたせいで夢を見ることを精神的に拒絶する者がの。そしてそのせいで身体を壊し、精神的に不安定になるものもいる」
女郎蜘蛛「…それだけAにとって、今まで見ていた夢はとても恐ろしかったのね…」
女郎蜘蛛はAの手をぎゅっと握った。
女郎蜘蛛「バク、そろそろ夢を喰べてあげて？このままだとAがまた悪夢を見るかもしれないわ」
バク「分かっておる。これは何も味がしない夢じゃからの、一口に喰べてやろう。」
バクは大口を開けてAの夢を吸い取る。
そして全て喰べ終わるという瞬間…
バク「！！！ゴホッ！ゴホッ！な、なんなのじゃこの夢はっっ！！！」
バクは夢を吸い込むのを止め、激しくむせかえった。
大やもり「どうしたんだバク！！」
バク「分からんっ、じゃがこの夢が途中で物凄い熱を帯びたのじゃ！これ以上喰うたら、喉を焼くぞと言わんばかりに…！」
女郎蜘蛛「！ねえ見て！Aの夢が…！」
バクに喰われなかったAの夢の残骸が、今まで映さなかった映像を映し出した。
そこに映っていたのは……
女郎蜘蛛「な、なに…これ……」
燃え盛る大火の中でもがき苦しむ、数多の人間達の姿が鮮明に映し出されていた。
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吹雪@元百鬼蘭.° - おおっ!後編ですか…!!楽しみに待ってます!(^^* (2015年10月28日 0時) (
レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
ドS王子LOVE - 夢主かっこいいです！オロチとか超かわいい！更新頑張ってくださいね！ (2015年10月11日 12時) (レス) id: 52660d2b3d (このIDを非表示/違反報告)
加州 - 最新頑張ってください...楽しみにしてます(にっこり (2015年10月9日 23時) (レス) id: 000de04641 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼蘭.° - おぉ！一人称がここの夢主さんと同じだ！！嬉しいぞ！(^^* (2015年10月6日 22時) (レス) id: 4ea06a141b (このIDを非表示/違反報告)
くぅさん - 犬神は...犬神はは一体黒狐のなんなんだｧｧ！！更新楽しみに待っています！ (2015年10月4日 2時) (レス) id: 09a2c937ed (このIDを非表示/違反報告)
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