XXXXXXXIV ページ27
「A…今日1日俺について来てくれないか?」
「? はい」
朝起きて第一声があってから零は行き先を言わず私を車でどこかへ連れて行く
途中お花屋さんで4つの花束を作ってもらった
「まずはここ…」
そこには大きく“伊達”と書かれたお墓があった
「伊達…俺彼女と…Aと結婚するよ
俺よりも結婚は先輩だしな…向こうで仲良くやってるか?」
“ガタイが良くて男らしいけど繊細なやつで…
あと…一本だけ赤いバラを入れてもらえますか?”
私は花屋でのやり取りを思い出していた
零は一つ一つその人に合ったお花をお願いしていた
「メール…返事出来なくてごめんな…
この通り元気に無茶してるよ
だけど俺、まだそっち行く気ないから
4人で…見守っててくれよ」
私は零の背中を見ていた
大きくて逞しくて
だけどどこか寂しそうな
私は零の横にしゃがんで伊達さんに声をかける
「伊達さん…はじめまして
降谷さんと結婚するAです
零さんはヤンチャで怪我が絶えません
クマもすごくて、私結婚するの怖いです」
「こら」
「でも何の取り柄もない私のところに
日本を背負った素敵な素敵な男性が帰ってくるのかと思うと
彼が帰ってくるのが待ち遠しいです
そんな出会いが出来て良かった
彼の安心できる場所になれて良かったです…
伊達さんも…お幸せに…お元気で」
ぎゅっ
零が無言で優しく抱きしめてきた
私はその背中を叩いてあげる
日本を背負った彼は心優しくて一人で泣く子だった
けど辛い時には優しく包むように私を抱きしめてくれる
これが私たち夫婦の形
最後に零は伊達さんのお墓に爪楊枝を添えて
私たちはその場を後にした
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作者名:ひよこ | 作成日時:2018年8月27日 11時