文豪ストレイドッグス ページ26
横浜の洋上に、小さな観光船が浮かんでいた
透けるような空からの日差しを受けて水面の小波がキラキラと輝いていた
観光船は照り返しを浴びながら静かに水上を漂っていた
坂「本日はご足労頂きありがとうございます。繰り返しますが、これは非公式の会合です」
森「今日はお招きありがとう。本職に戻ってから、調子はどうかな?」
首領がそう言えば坂口さんは緊張しているようだった
種「うちの若いもんを虐めんでいただきたいですなぁ、マフィアの親分さん」
首領の向い、逆側に座ったのは、白髪に長身の壮年
船内にいる人物と比べて大柄なこの人は、内務省異能特務課の最高指揮官、種田長官
首領と種田長官の背後にそれぞれの部下がいたが全員銃火器は持っていない
岸辺を見ると遠くに見える陸地にはそれぞれの組織の配下が秘密裏にあるいは公然と待機していた
万一どちらが裏切ってもすぐさま岸辺に入る敵部隊たちが生き残った方を殲滅する
これは互いの喉元にナイフを突きあった、ギリギリの平衡状態で開かれている会合
森「うちのエリスちゃんが帰りにアイスクリームを買って来いってうるさくてねぇ。政府御用達の良い店でもないかね?種田長官?」
種「はっはっは、心温まる話ですなあ。うちの報告書を待っとる内務省の官僚共にも、1つ、手土産を持ち帰ってやりましょうかな。お宅の首級など持ち帰ったら喜ばれるやろなぁ」
種田長官がそう言った瞬間僕が睨むと
種「おやおや、冗談に決まっとりますよ。こんな補佐では苦労してはるんちゃいます?」
森「真逆。うちのA君は誰よりも優秀で順従ですよ」
首領も種田長官も、軒先で将棋でも指しながら談笑している表情と声色だがどうも怖い
『早速ですが本題に入らせて頂きます』
坂「異能特務課より、ポートマフィア・鴎外殿への要求は2点。まず私、坂口安吾について一切の関知をせず見て危害を加えぬ事。もうひとつは、日本に不法入国した異能犯罪組織、ミミックを壊滅させる事」
『……1つ目は問題ありません。ですが2つ目は難しい問題です』
森「まぁ……条件にもよるがね」
すると、種田長官は黒い封筒を出した
森「ふっ……くくく……くく……ヒヒ、アーハッハッハッハッハ!一応、中を確認してくれ」
そう言われて封筒を手に取る
中を開けると
『……ま、さか……』
森「ふふふ」
最初から、このつもりだったんだ
僕の手の中にある黒い封筒が悪魔からの手紙の様に思った
早く、早く知らせないと……
344人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» 行ってらっしゃい!待ってますよ〜なんだか太宰さん達と一緒に行ってるみたいですね〜「今日は太宰がいないから仕事が進む」「国木田さん……言い過ぎです」探偵社はいつもより仕事が進んでますね〜 (2019年5月9日 14時) (レス) id: 23cb7545a0 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - これから行ってきます。帰ってきたら又お話して下さい!「リュカちゃん、ちょっと待っててあげてくれるかい?」「リュカ、頼むな。お前も無理すんなよ。」それでは! (2019年5月9日 4時) (レス) id: c945dd784b (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» おお〜奈良が一緒ですね〜ええだいぶん進んできました!回想が結構考えてたんですよ。黒の時代が終わった後と一期の主人公って雰囲気が一寸違うのでその理由……って感じの回想です! (2019年5月8日 21時) (レス) id: 23cb7545a0 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - 私は奈良、京都、大阪です!お話大分進んできましたね…姐さん、中也…あと、回想が何とも…続き楽しみだなぁ〜 (2019年5月8日 21時) (レス) id: c945dd784b (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» いえいえ〜私は東大寺に行きますよ〜奈良です!セイレーンさんはどちらへ? (2019年5月8日 17時) (レス) id: 23cb7545a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リュカ | 作成日時:2019年5月1日 20時