STAY WITH ME (ページ16)

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美しい男ページ16

小山の反応は、大方予想どおりだった。

「それ絶対騙されてるって！おっかしいでしょ？！だってそんな、会ってすぐとかって・・・アレじゃない、あの、美人局だっけ？」

「ツツモタセな。すいませーん」

アルバイトっぽいにーちゃんに、カツ丼と小山の天そばを頼む。

昨日、Aと名乗った女と一夜を共にして、彼女の仕事場だというネイルサロン(しかも俺の家より職場のが近いという一等地だ)で、近所の店の男に服を借りた。たしかに、俺がその話を、例えば小山から聞いたとしたら、絶対に騙されていると断言するだろう。

昨日、彼女からのメッセージは何も来なかった。

俺から送ろうかとも思ったけど、迷って結局やめた。

「シゲ？」

はっと我に返った。小山がなんとも言えない顔でこっちを窺っている。

「どうしたの？やっぱりなんか変な心当たりがある？」

変っちゃ変だけど。なにもかもが。

・・・ああ、俺、傷ついてんのかな。Aから連絡がなくて、やっぱひと夜の夢だったのかって。

「いや、別になんもねーよ」

「おまたせしやしたっ！」

やたらと威勢のいい声で、にーちゃんは盆を２つ、目の前へと置いた。