純情直球勝負 《 Hidaka.U 》

Thirteenth Attack ページ14

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Side of You




あっという間に放課後になった。


職員室に、休んだ授業のプリントを


貰いに行ってたから少し遅くなって


教室に戻れば、もう誰も他にいなかった。




「…………浮所くん、プリント持ってるのかな」




ふと、そんなことを思いながら


ファイルの中にそれをしまう。


持ってなかったら、見せてあげようかな。




菜「……………ちょっと」


「っ…」




ガタン、と鳴り響く机の音。


菜優さんが私の机を押したからだ。


ビクッと揺れる肩。


周りには何人か他の女の子もいて


声色は、今朝よりずっと…怖い。




「………な、ゆ…さん」


菜「私言ったよね？浮所くんに近づくなって」


「っ…」


菜「しかも手繋ぐとか有り得ないんだけど」


「あ、あれは…浮所くんが保健室に…っ」


菜「うるさい…っ！」


「きゃ…っ」




肩を押されて身体が床に倒れる。


その周りを囲むように


他の女の子たちが一斉に私を視線で突き刺した。


……怖い。


震えて反抗さえできない私に


菜優さんは私の胸ぐらを掴んだ。




「っ…！」


那『…………何してんの』


菜「っ……、那須く…」


「へ……、ゆう、と」




きゅっ、とその怖さに目を閉じた瞬間


聞こえた耳覚えのある声。


その声に、菜優さんたちは一瞬にして怯む。


私を掴んでた手を離すと


慌てて取り繕うように後ろに隠した。





那「………1人に対して大人数なのは


どうかと思うけど？」


菜「っ…」


那「離してやってくれない？」




きっ、と私のことを睨むと


行こう、と言って走り去ってしまう菜優さんたち。


雄登が近づいて、そっと私を立たせてくれた。




那『………大丈夫？』


「う、ん…」


那『…………帰ろ、今日部活休みだから』


「っ…」




ふわっと微笑んで、私の鞄を持つ雄登。


ほら、って私の手を引いてくれたから


今日は甘えることにした。






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