【男性声優】シェアハウスの雨宿り。IV

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後輩の女子4人組に呼ばれて、ちょっと歩いたところにある休憩所まで呼び出される。


Aはちょっと期待していた。

これは、あの｢アンタ最近出しゃばりすぎじゃないですかｧ？｣的な呼び出しなのではないかということに。

普通こういう目には誰もが逢いたくないと思うが、この娘はどうもそうはならないらしい。

一度でいいからそういうのを言われてみたいという願望があるちょっと頭の弱い子だ。


わくわくしながらベンチに腰をかけると、4人は一斉に鞄の中から何かを取り出して、Aにバッ…と差し出した。

急に何かを渡されてビックリする。



｢…えぇっと……？｣

凛｢あっ、あの…これ、受け取ってくれませんか…。｣

葉｢バレンタイン、チョコ…なんですけど……。｣

｢……え、私に？｣

瑠｢はいっ！迷惑じゃなければ…。｣

｢迷惑だなんてそんな…え、ていうか本当に私でいいの？笑｣

咲｢A先輩が！いいんですっ！！｣

｢…ははっ。｣

咲｢？どうかしました？｣

｢ううん、なんでもない。有難く受け取らせてもらうね。
お返し、期待してて。とびきり喜ばせてあげる。｣



そう言ってクシャッと笑うと、渡された4つのチョコを手に持ってカフェへと向かった。

誰かに求められるというのは、中々嬉しい。

人間誰でも、誰かに必要とされたいのは一緒だ。
存在意義を探している。

だから、｢貴方がいい｣という言葉はとてつもなく幸せなのだ。


その頃、自販機前では。
顔を真っ赤にしながら、ポツーンっと取り残されている四人。









瑠｢A先輩…ホント二次元すぎるっ…。｣


葉｢あの笑い方は誰でも惚れるよ。｣







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