【男性声優】シェアハウスの雨宿り。IV

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無言真顔で鈴木からわしゃわしゃ撫でられ攻撃を受けて、Aも無言真顔でそれを受ける。

｢…なんなんだろうかこの時間…。｣とカオスな時を過ごす。


当の鈴木はというと、ちょっと撫でてみたら思いの外 柔らかくていい匂いがするから単純に楽しくなった、というのが理由であった。

やっぱり鈴木は行動が読めない。

・

順番にみんながお風呂に入っていく中、｢…あ、ケーキ。｣とふとオーブンの中のスポンジを思い出す。

つい料理が美味しかったりみんなと喋るのが楽しかったりで忘れていた。

ちなみにAは、家でお風呂に入ってから来たのでここでお風呂に入る必要は無い。


座っていたソファから立ち上がり、キッチンにとてとて向かう。

パカッとオーブンを開けると、ふわっとスポンジのいい香りが部屋に充満する。

｢なんだなんだ｣と寄ってきて群がる声優陣。



増｢スポンジ？｣

｢うん。明日の朝チョコケーキになるであろうスポンジ。｣

岡｢チョコケーキ！｣

入｢美味しそ〜。｣

下｢明日には食べれるの？｣

｢ちょっと遅くなっちゃったけど、バレンタイン。｣

｢｢｢遅っ。｣｣｣

｢仕事超忙しかったんだもん勘弁。｣

代｢ていうか別にバレンタインなんて良かったのに。
こんな男ばっか居る所にバレンタイン送るなんてよく考えたね。｣



でも知り合い…というか友人と言えば、友人だし。

一年に一回しかない特別な日。
折角なら、なにかしたいと思う。

湯煎にかけたチョコレートを、包丁とヘラを使って上手くスポンジに塗っていく。


すると、にぃっと口角を上げて肘を台につきながらあざとく木村が言った。









木｢お返しは期待していーよ。｣


｢…え、お返しは別にいらなっ……｣


｢｢｢なんでだよ。｣｣｣




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