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阿月(あづき)様は私の手を取る。その次の瞬間には、私はまったく知らない場所にいた。一陣の風が吹いて咄嗟に目を閉じて、開けたら既に別の場所だったのだ。

「え?あれ?」

「ほら、こっちこっち」

 戸惑う私の様子をどうとも思っていないようで、阿月(あづき)様は些か強引に私の手を引っ張っていく。バランスを崩しかけながらついていく中、私は周囲を見渡した。

 何かの建物の中のようだ。内装はけらお姉ちゃんのいたあの建物に似ている。白い石造りで、キラキラとした宝飾がたくさん。けれどけらお姉ちゃんの家と比べると宝飾がより豪華で、廊下にはいくつもの白い彫刻が飾られていた。

 しかし……どこか違和感があった。どこだろう?私は少し考える。そしてすぐに気付いた。

「何か……匂いがしませんか?」

 匂いだった。嗅いだ事のないような、不思議な匂いがする。それに、匂いだけじゃない。何というか、本当に僅かだけど、素肌に何かが纏わりつくような感覚がある。

 本当に言いようのない感覚だった。この違和感は私の知るどんな言葉でも言い表せないような気がする。

「お、勘が鋭いわねぇ。何せここは尊い方々の集う場所なんだから……厳密には離れなんだけど、それでもやっぱり分かるもんよねぇ」

「尊い方々?」

 尊い方々とは、いったい何だろう。神官の長である阿月(あづき)様がそう言うのだから、本当に尊い方々なんだろうとは思うけど。でも、だとしたら一体どんな存在なんだろう。蜈輪椄姫(ぐわつひめ)みたいな、それこそ神様みたいな存在なのだろうか。

「ま、あなたにはまだ早すぎる話よぉ。しばらくここでお勉強でもしてなさいな」

 阿月(あづき)様はそれだけ言った。

 ……そういえば。

阿月(あづき)様」

「ん?」

「私って、どうしてここにいるんですか?」

「あれぇ、華羅鈴(けらすす)に聞いてない?」

 私は頷く。阿月(あづき)様はあちゃーと頭を軽く押さえる。

「一言で言えば、あなたは尊くなるためにここへ来たのよ」

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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