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「これでよし」

「たま」

 たまうさを柵の中に戻す。たまうさは一声鳴いて、ぽよぽよ跳ねながら群れの中に戻っていった。

 これでよし。私は安堵のため息をつく。

「ちょっと、開耶(さくや)!」

 後ろから声をかけられる。振り向くと、そこにはお姉ちゃんが……ちえお姉ちゃんがいた。少し怒っているのか、眉間にシワが寄っている。

 どうしよう、たまうさを逃がしたのがバレちゃったのかな。でも、ちゃんと戻したから、少しは優しくしてくれるだろうか。そんな事が頭をぐるぐる回る。

「あ、ちえお姉ちゃん……えっと、その」

「……まあ、良いわ。ちゃんと捕まえてきてくれたみたいだし。次からは気を付けてよね」

 ちえお姉ちゃんはため息をついて言った。それは私がついさっきした安堵のものではない。呆れとか、そんな感じだった。多分、私が間違えてたまうさを逃がしちゃったのを分かっているんだろう。

「お姉様からお話があるから、後で行ってちょうだい……それと、今度からはちゃんと閂をかけたか確認するのよ。良いわね?」

「うん、分かった」

 私はちょっと……ほんのちょっとだけ怖くなる。

 私にはお姉ちゃんが二人いるの。一人は、今目の前にいるちえお姉ちゃん……命依理(ちえり)お姉ちゃん。ちえお姉ちゃんは私と歳が近くて、優しい。そしてもう一人は、……華羅鈴(けらすす)お姉ちゃん。

 けらお姉ちゃんは、悪い人じゃない。たくさん働いてて、とても立派だって皆が言う人だ。でも、いつも忙しそうで、歳がすごく離れているのもあって、あまり話した事がなかった。それに、けらお姉ちゃんはいつも怒っているみたいな仏頂面をしていたから、怖くて話しかけづらかった。

 ちえお姉ちゃんがお姉様って呼ぶのは、けらお姉ちゃんしかいない。けらお姉ちゃんが私を呼ぶなんて、何があったんだろう。もしかして、たまうさを逃がしたのを怒られるのかな。

 私は怖かったけど、ここで行かないってわけにもいかない。だから、震えながらけらお姉ちゃんが普段いる建物に足を進めた。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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