プロローグ ページ2
それは、ただ空を眺めていた。いくつもの星が煌めいている。冷たい水が、それの頬を撫でた。
それは目を閉じる。長い髪が、静かな波に揺れる。
聞こえるのは、海のさざめきだけ……
どれだけの時間経っただろうか。百年?千年?それとも、それ以上だろうか。それは、そんな事を考えなかった。それにとって、時間はほとんど意味のないものだったのだ。限りなく永遠に近いほどに引き伸ばされた、それの時間。
何度も柔らかい波が吹いた。何度も星が移り変わった。それはふと、目を覚ます。
それは気が付いた。自身の中に芽生えた欲望を。
長らく生まれなかった欲望が、鎌首をもたげる。それは獣じみた、細く長い息を吐いた。満たされたいとそれの心が低い声で呻く。口からは泡が溢れた。
それは、自身の欲望を呟いて……
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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (2022年6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (2022年6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)
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