【刀剣乱舞】だから、私は言う【一期一振】

15話 ページ15

じゃあバイバイ、そう言って一期に別れを告げてきた。


「緊張した〜」


ほっと胸を撫で下ろす。

正直に言って、凄く疲れた。
いや、何がそんなに疲れたんだよって言いたいのは分かるのだが、そういうのは言わないで欲しい。


「前世から続いてきた片思いを終わらす勇気って意外といるんだな」


凄く疲れた理由なんて、ただそれだけなんだから。









「あ！主さんおかえり！」


「ただいま浦島」


ドアを開けて靴を脱げば、すぐに浦島の声が聞こえてきた。


「………ねぇ、浦島」


「ん？何主さん？」


「…頼みたいことあるんだけど、いい？」


「いいけど、頼みたいことって何？」


本当に浦島は良い子で、感動して涙でそう。
いや、今泣いたらダメだろ。


「鯰尾に伝えて欲しいの。いつなら会えるかって」


「それだけでいいの？」


「うん。それだけでいい。それだけで充分だよ」


「わかった！鯰尾に伝えておくよ！」


浦島は多分、私と鯰尾が今世で会ったことを知っているだろう。
鯰尾は私の高校を浦島から聞いたと言っていたし。

あの日、私と鯰尾が会って何を話したかまでは知らないと思うけど。


どちらにしても浦島はそれ以上何も聞いてはこなかった。


「ありがとう浦島」

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