太輔君の愛し方 (ページ5)

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藤ヶ谷side

「ただいまぁ～」

やっぱり寝てるよね、、、、

最近は全くと言っていいほど、

ヒロの“おかえりー”が聞けていない。

重い気持ちをぶら下げて、

リビングに続く廊下を歩く。

うつ向きでも、リビングのドアが見えるまで

近いたときにやっと気づく。

“あれ、ヒロねてないのかな？”

まだ部屋の電気がついていて、

ヒロが寝ていないのかと、心配になる。

心配なのとは裏腹に、

もしかしたら、ヒロが寝ないで待っていてくれてるかも

って、期待する自分もいる。

――――――――ガチャ

「ヒロ～？まだ起きてるの？」

起きていてほしいという願いが傾く。

「ごめんね。ヒロ。」

ソファーに座って寝ている、愛しい人。

心配してくれたのかな？

俺に会いたかったのかな？

俺もヒロの“おかえり”が聞きたかったよ。

座っているけど、傾いてきつそうだから、

「違和感で気持ち悪いかもだけど、」

って保証をかけながら

お姫様だっこで、ベッドまで運ぶ。

―――――――――ギィ

ベッド特有の音をたてて沈む君は、

大切で愛しいひとだよ。

「明日は仕事、夕方からだからね。」

スヤスヤ寝息をたてている君に声をかければ

少しだけ、ニコッとした気がしたから、

君がもしかしたら、起きちゃうかもしれないから、

そのときは近くにいれるように

「秒でお風呂入ってくるね！」

少しだけ大きな声で言ったのも作戦だからね。