【npl】鉢合わせ【8】 (ページ12)

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Outing ページ12

免許取っといて良かったぁ…なんて思いながら彼女を迎えに行く。

インターホンを押し、再度身支度を整える。

はーい、と澄んだ声が聞こえた後、扉がゆっくりと開かれる。

女性らしい心惹かれる清潔感のあるワンピースと、さり気なく色気を出すピアス。指先まで気を遣っていて、其処には桜色を散りばめていた。

俺の為にお洒落をした、なんて言ったら独占欲が強くて気味悪がられるが、それでも矢っ張り胸が高鳴る。

…どうしよう、めちゃくちゃ…

八野「可愛い… 」

田部井「え？」

八野「っ、あ、あー、じゃあ行こっか」

何でもないって返そうか悩んだが、無かったことにしたくないから誤魔化す。…誤魔化しきれてはないけど。

車にエンジンをかけ、昔ハマっていたゲームのサウンドトラックを流したまま有名なイタリアン料理店に向かう。

田部井「何食べようかなあ…八野先輩は何が食べたいですか？」

助っ席で既に浮かれ気分の田部井さんは、生き生きとした様子で店のサイトに掲載されたメニューを漁る。

八野「俺は普通にマルゲリータ食べたいな。…ってずっと思ってたんだけどさ」

俺は何気ない疑問…嘘、結構気になってた質問を訊ねる。

田部井さんは案の定首を傾げて何です？と。

八野「初めは確かに八野先輩だったけど、俺が三年になった時 “はっち先輩” って呼んでくれてたじゃん。──はっち、ってまた呼んでよ。」

田部井「いやぁ久々に会ったので馴れ馴れしいのは良くないと思いまして … じゃあはっち先輩で、」

八野「はっちで。もう先輩後輩の関係じゃないよ。高校は終わり。…お前のこと一人の女性として見てるから、そういう関係のままは俺嫌なのよ。」

田部井「 …ぇ、」