【銀魂】つれづれなるままに【短編集】

少年少女【高杉晋助】 ページ22

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初めてのキスは中学生の時、確か二人きりの静かな教室で。


本当に最初のきっかけはなんだったのかは分からないけど、あの暑い夏の日に幼なじみが私にキスしたい、って言ってきたんだ。もしかしたらこの間の保健体育の授業の影響を受けたのかもしれない。





なぁA



俺、お前とキスしたい



キスしてもいいか？




付き合ってるとか、そういう関係ではなかったけど私達は小さい頃から一緒で性別は違うけれども仲が良い友達だった。


だからかもしれない。私は何も躊躇う事なくいいよ、と言って頷いた。


晋ちゃんは林檎みたいに真っ赤な顔でありがとうって言って、私の頬に両手を添えてちゅっとキスした。


ほんとに一瞬って言っていい程短い時間。でもなぜかキスして唇同士が離れた後も感触が残ってなんだかすごくくすぐったかった。



晋ちゃんって体温低い方だからきっと唇もひんやりしててマシュマロみたいなんだろうなって想像してたけどやってみてびっくり、熱々のホットミルクの一口目よりも熱かった。変な例えかもしれないけど敢えて言うならそんな感じ。


ついでに言うと私の顔を包み込む両手も唇が離れた後の間近の吐息もぴったりとくっつく体も全部全部熱くて、私も段々熱くなって二人して熱中症になっちゃうかと思った。


「Aの唇、柔らけー……」


手を私から離した晋ちゃんは人差し指で何度も何度も自分の唇をゆっくりとなぞってそんな事をぽつりと呟いた。私も自分の唇を触ってみたらやっぱりまだ熱くてあぁ、私は晋ちゃんとキスしたんだなーってぼんやりと考えた。


吸い込まれそうなほど青い空からため息が漏れたような酷く優しい風が吹く。窓の片隅にぽつんと佇む風鈴が揺れてちりりーん……と教室全体に鳴り響いた。生温い風が火照た体に当たって心地よい。


ゆらゆら、ゆらゆらと晋ちゃんの髪が風になびく。紫がかった黒髪がさらさらと揺れる。深い翠の瞳はまるで水晶のようでキレイだなーと思ってじっと見てたら晋ちゃんはなんだよ、って言って目を伏せてしまった。


あぁ、隠さないで。もっと見たいの。


「……ッ、どう、した？」


「もっと見せて」


晋ちゃんの目を、顔を、心の奥深くを。キレイな晋ちゃんを私の記憶に刻みつけたいの。



さっきされたみたいに晋ちゃんの頬を両手で包んでそう告げたら、白く戻りかけてたお顔がまたあっという間に耳まで赤くなった。



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途中ですけど、高杉さんの誕生日、滑り込みセーフと言う事で。

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