どこにでもあるありふれたお話【神威】 ページ18
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「あー忙しい忙しい」
「……」
「あれー、氷ってどれくらいだっけー？
ま、いっぱいでいっか」
「団長……」
「だーめ。Aは寝てて。俺が看病してあげるから、ね？」
「は、はい……」
「よし、いいこいいこ」
大きな手のひらが私の頭を撫でる。あぁ、優しい手だ……じゃなくて、
抹殺、
撲滅、
根絶。
不吉な単語が脳裏を過る。駄目だ、何としてでも今日が命日になるのだけは防ぎたい。
「…………あの、団長……私ただの風邪なんで、看病しなくても絶対大丈夫で」
「はいっ、氷！いっぱい入れたからすぐに治るよ！」
待て待て待てどこから持ってきたんだその氷山の一角みたいな塊は。
危ない、私の命が。病原菌の前に団長に殺されそうだ。
「オイオイ団長ォ、病人の頭を潰して殺す気かァ？ちと悪趣味すぎやしねェか」
「えー？でも頭に氷乗せると気持ちいいよ？」
「物には限度があるだろうがこのすっとこどっこい。せめてその百分の一くらいにしろ」
ふ、副団長……！あぁ、助かった……
「全く、仕方ないなー。じゃあ阿伏兎がやっといて。俺はAのご飯作ってくるー！」
前言撤回。私は今日、上司に殺されます。
「いやっ、ちょっ、待っ」
「大丈夫！俺に任せて！」
団長はそう言って扉が開くと同時に勢いよく走っていった。
「……副団長ぉ、どうしてくれるんですか。責任取って下さいよ」
「お嬢ちゃん、それは団長に言ってもらえないもんかねェ」
「だって団長、話聞かないじゃないですかぁ。肉の塊とか持ってきちゃったらどうするんですか。私本当に死んじゃいますよ」
いや、まだ食べ物なら良い。あの人なら劇物も作りかねない。
「まっさかァ、流石の団長でもそんな事は……しねェよ、多分」
「た･ぶ･ん……？」
「絶対にしないとボクは思います、まる」
「……」
「……冗談だって、そんな目で見るのはよせ。オジサンには五秒も耐えられねェ」
勘弁してくれ、と言って副団長は両手を上げて降参のポーズをした。
「まァ心配する程でもねェさ。それに団長がこんな事するのはお前位だ」
「それは……まぁ」
「お、赤くなってやがる」
「風邪引いてるので当たり前です」
誤魔化すように布団を頭から被る。熱くて、少し息苦しい。
「とにかく、今日はゆっくり休んでなァ」
副団長の笑い声が扉の開閉の音に吸い込まれていく。釣られるように私の意識も遠くなっていった。
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瑠璃鶲(プロフ) - エトさん» 大変申し訳ございません！(滝汗)しかしその様に言ってもらえて大変ありがたいです！寧ろ私の利己的な作品を見てくださっているので、感謝の言葉しか出てきません。今後は誤解のない様に何らかの対策を講じるので今後も閲覧よろしくお願いします！ (2017年9月9日 22時) (
レス) id: a2c8773b35 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃鶲(プロフ) - エトさん» コメントありがとうございます！えーっと、作品の冒頭の追記欄に書いてある通り、基本的に物語の終わりにはENDを付けております。したがって『忠誠心』という物語はまだ未完の状態でありまだ続き物として扱っていたのですが……分かりづらかったですよね。(汗) (2017年9月9日 22時) (レス) id: a2c8773b35 (このIDを非表示/違反報告)
エト - 高杉の忠誠心の作品は、読んでいてとてもわくわくしながら観ました！出来ればあの後どうなったのか続編の作品が観たい！我が儘だと自覚していますか。お願いします (2017年9月8日 18時) (レス) id: 32fc95954c (このIDを非表示/違反報告)
後輩2(プロフ) - アルハ*平日低浮上*さん» コメントありがとうございます！まさか書いた直後にコメントをもらえると思っていなかったのですごく嬉しいです！むしろまたコメントしてくださってありがとうございます(五体投地) (2017年8月11日 8時) (レス) id: c37a9d99ce (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 何度もすみません、高杉ドストライクです。ありがとうございます(土下座) (2017年8月11日 0時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃鶲 | 作成日時：2017年1月24日 1時
