誰にでも起こり得るありふれたお話【神威】 ページ17
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全く、これだから人間って奴は。
「団長、今日もお仕事頑張りましょう!」
そんな事いちいち言ってこなくても良い。
これだから人間って奴は、くだらない。
「団長、本日もお疲れ様でした!団長の奮戦っぷりにはいつも感激します!私も団長の様に精進します!」
あーハイハイ、だから何?
これだから人間って奴は、口先だけ。
「団長は本当によくお食べになられますね!私もたくさん食べて力をつけます!」
お前には興味ない。ご飯くらい静かに食べさせてよ。
これだから人間って奴は、無神経だ。
「団長……どうしたんですか、その怪我!私が処置しますので、どうかじっとなさってて下さい!」
うるさいなァ、いちいち騒ぎ過ぎ。
これだから人間って奴は、馬鹿すぎる。
「だ、団長……これは、その……かすり傷です!全然大した事ないですよ!全く痛みはないので!自分で処置出来るので!
だから……私ごときに、わざわざ団長がお手を煩わせなくても……」
「うるさい、黙れ」
何?なんなの?弱いクセに見栄張るなよ。
これだから人間って奴は、ムカつく。
「団長は、優しいのですね」
「はぁ?今更気付いたの?」
「いえ、元から知っていました」
「キモ」
「そっ、そんなっ!?」
「フン」
俺の言葉にいちいち一喜一憂しちゃって。本当に浅はかな女だ。
これだから人間って奴は、からかいがいがある。
「……団長ォ」
「……」
「そいつァもう……息してねェよ」
抱きしめてもピクリとも動かない、赤く染まった体。
「…………阿伏兎、見てよこれ。
すごい綺麗な顔。まるで寝てるみたいだ」
キスしたら目覚めるんじゃないかと思った。やってみたら思いの外唇は柔らかくて、ひんやりとしている。でもコイツが再び目を開ける事はなかった。
「……団長、そいつからの伝言だ。
おめでとうございます、だってよ」
「……」
「……じゃあ、片付けてくる。
それと、誕生日おめっとさん。……後は俺達に任せて先に帰りなァ」
そう言って阿伏兎はひらひらと手を振ってどこかへ行った。
「…………ククッ、ふふふ、あははははっ!
馬鹿な奴!黙って俺に守られていれば良かったのに!
ほんっと、これだから人間って奴は……!!」
愛おしいのはなぜでしょう
(君の命を踏み台にした日)
(それは僕が生まれた日)
END
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瑠璃鶲(プロフ) - エトさん» 大変申し訳ございません!(滝汗)しかしその様に言ってもらえて大変ありがたいです!寧ろ私の利己的な作品を見てくださっているので、感謝の言葉しか出てきません。今後は誤解のない様に何らかの対策を講じるので今後も閲覧よろしくお願いします! (2017年9月9日 22時) (レス) id: a2c8773b35 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃鶲(プロフ) - エトさん» コメントありがとうございます!えーっと、作品の冒頭の追記欄に書いてある通り、基本的に物語の終わりにはENDを付けております。したがって『忠誠心』という物語はまだ未完の状態でありまだ続き物として扱っていたのですが……分かりづらかったですよね。(汗) (2017年9月9日 22時) (レス) id: a2c8773b35 (このIDを非表示/違反報告)
エト - 高杉の忠誠心の作品は、読んでいてとてもわくわくしながら観ました!出来ればあの後どうなったのか続編の作品が観たい!我が儘だと自覚していますか。お願いします (2017年9月8日 18時) (レス) id: 32fc95954c (このIDを非表示/違反報告)
後輩2(プロフ) - アルハ*平日低浮上*さん» コメントありがとうございます!まさか書いた直後にコメントをもらえると思っていなかったのですごく嬉しいです!むしろまたコメントしてくださってありがとうございます(五体投地) (2017年8月11日 8時) (レス) id: c37a9d99ce (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 何度もすみません、高杉ドストライクです。ありがとうございます(土下座) (2017年8月11日 0時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃鶲 | 作成日時:2017年1月24日 1時