ものぐさたちのクリスマス。 ページ7
クリスマスネタ
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｢ベッドから出られないね｣
｢そうだな｣
｢だって寒くて修也くんが風邪ひいちゃったらいけないもんね｣
｢寒いとAの身体が冷たくなるからな｣
色々と言い訳をしながらもぞもぞと布団に潜り込む。最近お揃いで購入した部屋着を纏った身体をぴったりくっつけると、体温がとけ合って心地好い。朝起きて布団から出るとあまりに寒かったので何事かと思ったら、暖房が壊れてしまっていたのがすべての原因だ。
冷たい空気から身を隠すように俺の胸元で縮こまるAの後頭部を撫でると、ぐりぐり額を押し付けてきた。一年中俺が家にいるときは常にべったりなAだが、冬になると寒さでよりスキンシップが増える。彼女の体温をこの身に閉じ込めている時間があまりに満たされていて、陽はとうに昇っているのに離れ難い。
｢あ、そうだ｣
｢ん？｣
｢修也くん、めりーくりすますー｣
そうか、今日はクリスマスか。昨日のうちにデートをしたりプレゼントを渡したり少し豪華なディナーを食べたりと二人で満喫し尽くしたので忘れていた。
｢声にやる気がないな｣
｢ちゅーする気はあるよ｣
会話におねだりを紛れ込ませた甘えん坊の眠そうな目元と唇に一度ずつキスを落とすと、蕩けるような笑みを浮かべた。
｢ほっぺがゆるゆるになっちゃう｣
｢幸せすぎて？｣
｢しあわせすぎて｣
Aもまだ起き上がる気は微塵もないようなので、喋っているうちに空いた身体と身体の隙間を埋める。
｢今日はお昼まで寝よ｣
｢ああ｣
｢それで、起きたらあったかいスープ飲むの｣
｢紅茶はいいのか｣
｢ぐうたらしたいから今日はなし〜｣
紅茶は行儀よく飲むというこだわりがあるらしい。さぼりはしないが根がものぐさなところも、好きなことならいくらでも夢中になれるところも、俺とAは似ている。
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作者名：おひめ | 作成日時：2023年11月8日 13時
