irregularな０番さん。〖🎲〗

♢NO.6×NO.0 ページ40

「あにきやっほー!!」
ガチャリ、とあにきの家のドアを開けて入っていく。

見事に私の予想は的中し、現在のあにきは暇そうに某馬を擬人化させた可愛い女の子が出てくるゲームをやっていた。…無視はひどくない？




「んぉ、Aやん。なした…って髪染めたん？」
スマホを机に置いて私へと目線を向ける。


やはりすぐ気付いてくれて、私なんかより女子力が高い。
そんなあにきに嫉妬の様なものを抱いてさせられたのはまさかの花嫁修行。

ミシンちゃんに10年前に刻まれた手の傷は未だにうっすらと残っている。
…あにきは怪我させないように教えてくれたけど。好き(唐突)



「インナーカラー入れてみちゃった。似合ってないかな…？」
行き付けの仲の良いお姉さんに切ってもらったは良いものの、自信が持てずにいた。


「何言うてん、可愛いで。
そういや次のライブの髪型決まったん？」

「んー、まだ!!」

やっぱりや、なんて笑ってからあにきは考え出した。


何か思い付いた様に両手を合わせると
「ハーフツインとかどうやろ。」

…ハーフツイン？
いや、あの、タレ目メイクとかの女の子がやるやつだよね？



「…多分可愛いけど私似合わないと思うよ？」
「誰が決めたんよそれ。ちょっと俺やってみるわ」

髪ゴムを取り出して耳より結構高めの位置でギュッと縛られる。
ちょっと似合う所があにきの凄さを思い知らされた。


「これでも似合わんって言える？」

「すみませんでした」
と言うとなんで謝るん、と言ってまたスマホをいじり始める。



「いつも姉キャラなんになんか妹みたいで可愛ええわ。
…聞いとる？」

「聞いてるよ。なんか妹みたいって言われるの久し振りだったから」




来世なるなら妹キャラ、なんて言う言葉はまた心配させそうで飲み込んだ。
別に今は意味深な言葉じゃないけど。

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