17 ページ17
"大貴"side
寂しい。悲しい。
こんなにも辛いなら、最初から承諾するんじゃなかった。
でも確かに、楽しかったんだ。
大貴「…うぁぁ、っ…」
おかしいよね、感情なんて死んでるはずなのに。
足に力が入らなくなって道端に座り込む。
ああ、研究所にも帰れないんだ、俺。
でももういい。どうせ明日はやって来ない。
「大ちゃん！！！！！」
誰かが僕の上体を起こす。それはとてもあったかい。
大貴「いのちゃん…？」
慧「そうだよ、大ちゃん。ごめんね、今まで気づかなくて。」
大貴「…いいんだ、騙してたのは俺だから。」
慧「騙してるなんて、言わないでよ。」
大貴「ふふっ、許してくれるの？やっぱいのちゃんはやさしいね。」
慧「…なんでわざわざ記憶操作したりしたの。」
大貴「…"アンドロイド"の特権、だからかな。」
アンドロイドとしてうまれた俺に何故かついていた機能。
慧「そんなことしない方が、ラク、なんじゃないの…？」
そうかも。"アンドロイド"として紹介すれば、いのちゃんも、そのお友達も、俺を"アンドロイド"として扱ってくれて、俺的にはすごく過ごしやすかったのかもしれない。
だけど、
大貴「人間として、生きてみたくなっちゃったの。」
慧「人間として…？」
大貴「もともとこの世界に溶け込めるように作られているけど、中身も外見も全然違う。"ロボット"としての壁がある。」
そう、俺はあくまで機械。
大貴「だけど、いのちゃんの家に向かいながら、家族とか友達とか恋人とか、そんな関係にある人を見て、突然、憧れちゃったんだ。」
俺も、ああいうふうになりたいって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カシスオレンジ(プロフ) - 空さん» 楽しみにしていただいていたのに、本当にごめんなさい。作者の都合によりお話の続きを書くことが難しくなってしまったため勝手ではありますが作品を削除することにしました。内容が思いついたらまた"忘却の彼方"のようなお話を書きたいと考えています。 (2021年10月27日 18時) (
レス) id: 64f54fb5df (このIDを非表示/違反報告)
空 - カシスオレンジ様の小説【忘却の彼方】観覧不可能になっているのですが、もしかして削除してしまったのですか？ いつも楽しみに拝見させていただいていたので、ちょっとだけ残念です…。 (2021年10月27日 14時) (レス) id: 1b6fb8d27d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カシスオレンジ | 作成日時：2021年10月19日 15時
