第二十六話 ページ30
葉巻の人とルフィは面識があるらしい。
葉巻の人がルフィに話しかけているのに、ルフィはずっともぐもぐと食べることをやめない。
その瞳は葉巻の人に向いているから話を聞いているのかもいまいちわからない。
すると、いきなり大きな声で「あの時の煙!!」とルフィが叫ぶものだから、口の中に入っていたものが葉巻の人にかかってしまった。
あー…怒られるわよね。というか、逃げたほうがいいかな。
「鶴丸、逃げるわよ。今すぐに」
「あぁ、分かった」
鶴丸は返事をすると、私を抱え上げる。
それと同時に、ルフィも逃げることにしたらしく、料理をすべて口の中に詰め込むと「ごちそうさまでした」と律儀に頭を下げてから走り出した。
鶴丸はそのあとを追うように私を抱えながら走り出す。
私一人で走るよりも鶴丸が私を抱えて走る方が速いんだから、この儚げな容姿で、意外と男らしい一面もある。
「ルフィ!あれは誰なの?」
鶴丸の横を走るルフィに聞くが、いまだにもぐもぐと口の中を食べモノでいっぱいにしているため、返事があっても何を言っているのかさっぱりわからない。
そんなやり取りをしているうちに、葉巻の人の仲間であろう黒髪の女の人が私たちの前から刀を抜いて切りかかってきた。
ルフィは高く飛び上がり建物を伝って逃げていく、一方鶴丸は私を抱えたまま本体を抜き、女性の刀を受け流す。
女性の太刀筋はなかなかにいいようだが、圧倒的に鶴丸のほうが強かった。
片腕がふさがっているというのにあっさりと女性を交わした鶴丸は、そのまま後ろの海兵を撒く為細い路地へと入る。
入り組んだ路地をぬう様に走っていけば、みんなのいる廃屋へとたどり着いた。
「神無月と鶴丸!二人とも、ルフィは見つかった?」
「見つかったけど、またはぐれちゃって…たぶん今海兵に、」
追われている。
そうつづけた言葉はこちらへ近づいてくる無数の足音と声にかき消される。
「大方、どこぞのあほな海賊が逃げ回ってんじゃねぇのか」
さして興味がない様子のサンジの言葉に、思わずため息が出る。
ほんとにね、あほだわ。あの子は。
海軍に追われているのはルフィだと分かったみんなは、息の合った突っ込みを見せてくれたが、ルフィがゾロの姿を見つけてしまったのは痛かった。
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雪羅(プロフ) - すみせん、二回投稿してしまいました…… (2019年3月20日 6時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - またまたコメントさせてください。ほんっとうに面白いです!エース見てると、後々あんなことに……と泣きたくなります。鶴丸以外の刀剣に早く会えたらいいですね。これからも頑張ってください! (2019年3月20日 6時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - またまたコメントさせてください。ほんっとうに面白いです!エース見てると、後々あんなことに……と泣きたくなります。鶴丸以外の刀剣に早く会えたらいいですね。これからも頑張ってください! (2019年3月20日 6時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - 雪羅さん» お返事が遅れてしまって申し訳ございません!コメントと応援ありがとうございます!なかなか更新できずお待たせしてばかりですが、精一杯頑張りますのでこれからもどうかよろしくお願いします! (2018年11月9日 13時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - ミリアさん» リクエストについてなのですが…申し訳ございませんが受け付けておりませんのでご了承ください。 (2018年10月6日 9時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠愛 | 作者ホームページ:ニャンニャンニャン♪♪♪
作成日時:2017年7月25日 17時