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「…え」
まだ赤井は隣で眠っている。
朝起きて手首を見れば、、誰かに強く掴まれたような痕が赤く、内出血のようになっていた。
当然、赤井にこんなに強く掴まれたわけではない。そもそも痕の大きさから、子供であることは明らかだ。しかし私の周りに子供はコナン君くらいしか居ない。
そういえば昨日、何かに手を引っ張られたような気もする。交差点を渡ろうとしていた時だ。
買い物中に会って帰り道を並んで歩いていた安室さんかと思い聞けば、安室さんは不思議そうな顔をして、僕ではないといったのだ。
さして気にもしていなかったが、あれが原因なのだろうか。
「Good morning,my princes」
「おはよう。まだ眠そうだな」
「君の朝が早すぎるんだ。…この痣、何処で」
流石というかなんというか、一瞬にして私の手首の痣に気付くあたり、やはり赤井は凄いのだと思う。
「昨日、買い物中に安室さんにあった。話をして歩いていた時、交差点が青でな。渡ろうとした時、何かに手首を掴まれたのだ。強く。安室さんに聞いても僕ではないと言われて…」
安室さんに会った、と言ったところからムっとした顔になったものの、赤井は真剣に話を聞いてくれた。
「確かに彼の身長は赤井と同じくらいだから、手首よりも腕や肩の方を引くだろうし…と思って深く考えずにいたんだが…」
顎に手をおいて考えていると、両肩を掴まれた。
前を向けば、不安そうに眉を八の字にした赤井がいた。
「頼む、そこは深く考えてくれ」
「…善処はしよう」
「今の間は何だ。…しかし、大きさからして子供だろう。君の近くには子供はいなかったのか?」
「あぁ。だからこそ、不思議なんだ」
話し込んでいれば、一部の景色がぼんやりと霞んだ。
「――どうやら、深刻な案件のようだ。そうだろう、イザナミ」
そこに現れたのは、私をこの世界に生かさせてくれた伊邪那美命。普段は目を細めて笑っているイザナミの顔は、珍しく険しくなっていた。
「あぁ、お主等に言わねばなるまい。…楓が無間から逃亡した。恐らく、楓は今お主を探し回っておる」
「むけん…?」
「無間とは、恨み辛みを抱いたものをその念が消えるまで置いておく場。奴の念はまだ強かった。…霊体である奴がお主に痣を残すとは…暫く、警戒してほしい。我々は楓の捜索網を張る」
忙しい中で来たのだろう。ではな、と早口で言えば、すぐにイザナミはふっと消えてしまった。
お前は今何の為に、私を探している?
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ユキ(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます。個人的にとーる君は書いていて楽しいので、この話が一段落しても出てくるかもしれません( ̄∇ ̄*) (2019年3月29日 22時) (レス) id: 370884fb03 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きがすごく気になりました。よろしくお願いします。 (2019年3月29日 22時) (レス) id: 1af3590574 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 奈楠さん» ありがとうございます。学業も忙しくなりますので更新ができない日々もあると思いますが、作品をよろしくお願い致します。コメント嬉しいです(о´∀`о) (2019年3月15日 12時) (レス) id: 370884fb03 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 受験お疲れ様です!!!作者様のペースで大丈夫ですよ!更新頑張ってください! (2019年3月14日 21時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 明里香さん» 教えて下さりありがとうございました!修正しました。閲覧ありがとうございます。 (2018年8月3日 7時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ x他1人 | 作成日時:2018年5月20日 18時