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「君の口調は、赤井に似ているな」

そう言ったらとーる君は肩を跳ねさせ、顔を暗くして俯いてしまった。しまった。こんなとき、どうしていいかわからない。
赤井がいたらと思ってしまう自分は、赤井に依存しているのではないか。そう思って身震いをした。

静寂が部屋を包んだ。

「すまぬ、馬鹿にしている訳ではない。ただ、そう思っただけで」
「しゅういちは、つよくてかっこいい。ぼくとはぜんぜんちがうんです」

話し方と一人称が変わるとーる君に、少し驚いた。けれど、それが本当のとーる君なのだろう。

「君は、いけだとーるという人間は、確かに赤井秀一とは異なる人間だ」

エンジン音が聞こえてきたため、ソファから立ち上がり外を窓から覗くと、そこには赤井(沖矢)と金髪の眼鏡の女性がいた。

「けれど、赤井を格好いいと思い、そうなりたいと思う君も格好いいと思う。今は真似でもいい。そのうち、君なりの格好よさが見つかる。焦らなくていい」

慣れないなりにとーる君の頭を撫で、玄関の方へと向かおうとすると、服の裾を引かれた。

「…一緒に来るか?」
「うん」

満面の、という言葉がつくほどの笑顔で、とーる君は此方を向いた。やはり君には、そういう笑顔が一番似合う。

「抱っこしてもいいか?」
「う、うん」

突然の問いに少し動揺したようだったが、私を見上げて両手を広げる様子はとても愛らしかった。
抱き上げて玄関に向かうと、丁度インターホンが鳴らされた。

鍵を開けて扉を開けると、赤井と金髪の女性がいた。赤井は何故か鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして呆然としていた。

「シュウ…気持ちは察するわ。こんにちは、はじめまして。ジョディ・スターリングよ、シュウの同僚なの。宜しくね」

ジョディさんは赤井の肩に手を置いて俯き眉間に手を当てると、私の方へ向いて手を差し出しながら自己紹介をしてくれた。

「はじめまして、赤井がお世話になっているようで…」
「そんな! シュウに助けられてばっかりよ。ふふ、こうしてみるとトオルが黒髪だから貴女とシュウの子供みたい」

ゴンッ!!!

「いけない、失言だったわね」

すごい音がして赤井を見ると、彼は壁に頭を打ち付けていた。

「赤井? 沖矢の顔で何をやってるんだ」
「待て、待ってくれ。いや、大丈夫だ。そもそも何故Aは徹を抱き抱えているんだ」
「あまりにもとーる君が愛らしくてな」

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ユキ(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます。個人的にとーる君は書いていて楽しいので、この話が一段落しても出てくるかもしれません( ̄∇ ̄*) (2019年3月29日 22時) (レス) id: 370884fb03 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きがすごく気になりました。よろしくお願いします。 (2019年3月29日 22時) (レス) id: 1af3590574 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 奈楠さん» ありがとうございます。学業も忙しくなりますので更新ができない日々もあると思いますが、作品をよろしくお願い致します。コメント嬉しいです(о´∀`о) (2019年3月15日 12時) (レス) id: 370884fb03 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 受験お疲れ様です!!!作者様のペースで大丈夫ですよ!更新頑張ってください! (2019年3月14日 21時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 明里香さん» 教えて下さりありがとうございました!修正しました。閲覧ありがとうございます。 (2018年8月3日 7時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ x他1人 | 作成日時:2018年5月20日 18時

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