百六十八話 ページ32
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治しちゃいけない。心のどこかでそう思っている自分がいる。
「ど、どうして...？もしかして、リカバリーガールみたいに条件があって使えないとか...？」
「ううん。サーの怪我は治せる。条件なんてないから。
でも...サーの怪我は、治せない。サーの怪我を治したら、大変なことになると思うから」
ようやく分かった。さっきから熱のせいか頭が痛くて上手く働いてないから分からなかったけど。
私がサーの怪我を治そうとしないのは原作に影響するからだ。原作ではサーが死ぬことによって主人公の心が成長したりと様々な影響がある。
でも、サーが生きていたら？
それら全てがひっくり返って色んなところに影響が出てくる。そうしたら本来死ぬべきではない人が死んでしまうかもしれない。
主人公やヒロイン、その仲間達。誰に影響が出てくるか分からない。
もしかしたらお兄ちゃんが死んでしまうかもしれない。
多分、私はそれが怖かったんだ。お兄ちゃんが死んだら私はどうなるか分からないから。
だから、サーの怪我を治すことはできない。
「...大変なことって、何？」
「教えられない」
主人公の君には絶対教えられないよ。
「ッ！ナイトアイが死ぬかもしれないんだぞ！！君が職場体験のときからお世話になってる人がだ！
命の大切さは君が一番知ってるはずだろ...！人が死ぬことよりも大変なことって何！？」
「...うん。だからだよ」
だからこそ、サーを助けちゃいけない。こうやって切り捨てていかないと、本当に大切な人も失ってしまう。
誰が一番大切で、誰は死んでもいいのか。
私の中にある天秤ではかる。
その結果、サーはお兄ちゃんよりも大事じゃなかった。だから見捨てる。
...ただ、それだけのこと。
サーを見捨てるのは、お兄ちゃんやあなた達を救うことと同じ。だから諦めてよ。
「...緑谷、もういい。それ以上はやめるんだ...ヒーローが悲しい顔をさせてどうする...」
すると、緑谷はハッとしたような顔をする。
...私、そんなに悲しそうな顔をしてるのかな。
「で、でも！そうしたらナイトアイが死んじゃうだけで...！」
「竈門は、意味もなくそんなことはしない...必要があって、しているんだ...だから、仕方がないだろう...」
「...どうして、サーは諦めてるの...？人間は自分が死ぬ間際になると何がなんでも生きようとするのに...」
「...竈門の目が、誰かを助けようとするときと...同じだったから...」
「...たった、それだけで...？」
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桜 - りーたん☆さん» ありがとうございます！！面白いと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！体調の心配もしてくれててとても励みになります！頑張りますね！ (2020年8月20日 20時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
りーたん☆ - 続編おめでとう！！！とても面白いです^_^体調に気をつけて、頑張ってください (2020年8月20日 16時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - シバさん» コメントありがとうございます！！シバさんが安眠を確保できているならよかったです！！←←←更新頑張りますね！！ (2020年8月15日 17時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
シバ - 続編おめでとうございます！楽しみすぎて夜しか眠れません！←←更新頑張ってください！ (2020年8月14日 20時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2020年8月13日 18時
