受け止めて ページ45
「おぉー!!いったれ!!A様!!」
「A様〜!!」
私は木刀を構えて、大ガマ様の攻撃を弾く。
「大将!!」
「大将〜!」
様々な声が飛び交う。
私は今大ガマ様と勝負をしている。
─── 大ガマ様を何とか本家軍まで送り届けたのだが、
今度は本家軍の方々に捕まってしまった。
本家軍の方々にはムゲン地獄で大変お世話になったので、断ることが出来なかった。
そして、何故か本家軍に手合わせを求められ、何試合かした後、本家軍大将、大ガマ様と勝負をすることに。
まだ良かったのは、大ガマ様は私が他の本家軍と戦っている間にお酒を呑んでいたみたいで酔っている。
いけるかも、
なんて思った瞬間、身体に大ガマ様の髪が巻き付き体が宙に浮く。
「くっ、しまった…!!」
勢いよく地面に叩きつけられそうになり、急いで受身を取る。
「今の耐えたか〜、さすがだな!A」
大ガマ様はやはりお強い。
私は木刀を構え直す。本家大将に手合わせをしてもらえる機会はなかなかない。この際にしっかり学び、カイラ様のお役に…。
「私は酔った大ガマ様には負けたくないです…!」
私は大ガマ様に木刀を振り上げた。
❀
「あ〜!!悔しい!!悔しすぎる!!」
私は目の前で寝ている大ガマ様を見下ろす。
大ガマ様は私との勝負中であるというのに寝てしまった。
つまり勝負はお預けである。
「大ガマ様、起きてください!!今すぐ、です!!」
「A様、もう夜遅いです。本家軍にお泊まりください」
「…さすがにそれは…本家軍にお世話になる訳には…」
ニコニコと笑顔を浮かべる本家軍に囲まれ、私は苦笑いを浮かべ、泊まることが決定してしまった。
本家軍のお風呂は露天風呂だ。
お肌はすべすべになるし、気持ち良かった。そして着替えと寝床まで用意してもらい、至れり尽くせり。
「A様、今日はありがとうございました」
本家軍の方に言われ、私は首を傾げる。
「いえ、お礼を言うのは私の方で…」
「いいえ、我らの方です。A様に手合わせをしていただきました」
「お互い様ですよ。私も沢山学ばせていただきました。
ありがとうございます」
本家軍の方は目を細め、笑った。
「A様が人間界でも妖魔界で有名な理由が分かりました。やっぱり貴方は素敵な方だ」
あぁ、嬉しい。
素直にそう思った。
人間庁で働いていた時も、今も全てのことが認められた気がした。
21人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ