こってりの定番! ページ13
「ちょっと、あなた。エンマ様が誰にでも優しいからって勘違いしないことね」
「はい!!それはもう!心得ております!!
エンマ様は我々の星!!手が届く存在なんて微塵も思っておりませんのでご安心ください!!」
やはり予想した通り名家のお嬢様妖怪さん達率いる──エンマ様ファンクラブからの洗礼を受ける。
誰か対抗してカイラ様のファンクラブを作って欲しいところだが、カイラ様ファンクラブはあるにはあるらしいのだが、活動をしているのかは定かでは無い。風の噂によると、活動を行えばカイラ様ご本人からの粛清をくらうとかなんとか……。
「分かっているようならいいの。これからはエンマ様に自ら話しかけないこと!!いいわね」
「はい!!承知しました!」
ここは逆らわない方がいいし、なんならファンクラブの方々がエンマ様の目を引いてくれれば、カイラ様が穏やかに過ごせるので、もっと頑張って欲しい。
そして、ファンクラブの方々と別れたら───
「おはよう、A!」
「おはようございます、エンマ様」
早速会話不可避…!クラスが一緒だから仕方ないけど。
そのまま立ち去ろうとするが、そのまま話が開始してしまう。
「Aはカイラと仲が良いんだな!カイラがあんなに楽しそうなの初めて見たぜ?」
一体どの場面を見ていたんだろう…?
カイラ様は私が隣にいると常に不機嫌だけど…。
後ろから視線を感じる…ファンクラブの方々である。
「そうなのですか!?あ〜!!ちょっと何かのオーラを感じました!!私ちょっと行ってきます!!じゃあエンマ様失礼します!!」
私は走り出した。
ファンクラブの方、私はちゃんと離れましたからね!
そういう視線を送って走り出すと、隣を並走しだすエンマ様。
え?
「なんだ!?オーラって!面白そうだな!!」
目を輝かせて言うエンマ様。
まずい、なんでこうなるの。
これじゃあなんか外から見たらエンマ様と仲良く走ってるみたいだ。本当は全然仲良くないのに。
「んん〜!?ここからなんかものすごいオーラを感じます!!」
もういい、変なやつだと思われて引かれよう。
私は立ち止まり、何の変哲もない壁に手を当てた。
「オーラを感じるのか!?さすがだな!!」
「えぇ、何やらものすごいものが…」
「…」
エンマ様の笑顔が消え黙り込むので、私も手を下ろした。
さすがにインチキだとバレて怒られるか?
「…A、さすがだな」
「え?」
21人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ