月が綺麗な夜に貴方と

おむかえ ページ12

翌日、私は学校に行っていつも通り授業を受け…


れませんでした！！


一日中頭の中には放課後のお迎えの事しかなかった


授業もぜーんぶ上の空


友達にも心配されたけど何とか誤魔化して


ようやく帰りのホームルームも終わったし


後はウォヌ先輩のお迎えの待つのみ…


何だか緊張するなあ…


手鏡を取り出して髪を整えて、リップを塗り

よしっと意気込んで教室を出ようとすると…


友人達に捕まってしまった


“Aって彼氏できた？？”


いきなりの発言にビクッと身を固くする

…え？

「えっっ、何で！？」


“いつもより身だしなみ確認してるし、一日中上の空だったから、もしかして今日デートなのかな？って！”


どうやら、女子校生の異性に対する勘は鋭いようだ


「か、彼氏なんて居ないよ！」


あはは…と笑ってみせるが
何故かぎこちなくなってしまう


本当はバイト先の先輩が学校まで迎えに来るんだけど…


これは言えないな…

この子達がウォヌ先輩に会ったら


絶対に彼女らはウォヌ先輩に食いついてくる


いうなれば、女子校生は男に飢えたゴリラの集団なのだ



女子校生とイケメンの接触は避けなければならない


これが私の任務…

出来るだけ事は穏便に進めたい


もし、この任務が失敗したら、ウォヌ先輩は女子校ゴリラ達の猛アタックを受ける事になる


ウォヌ先輩そういうのダメそう…
まあ、イケメンだし慣れてる可能性もあるけど、、、


と考えていると


“えー！！その反応は絶対できた！隠してないで教えてよ〜”


まずい…変に否定したのがダメだったか、


むしろ私の彼氏事情に皆食いついてしまった…


普通に先輩が迎えに来るって言えばよかったかな…


「いや、本当に彼氏いないからね！！」


そうやって友達を説得してると


《キャー！！！！！！！》と響く声


友達も私も驚いて会話を中断させる

これは…悲鳴？

いや…まさか



声は玄関辺りから聞こえてきた

友人達と慌てて窓を覗くと


そこには…沢山の人！！

よく見ると誰か一人に集まっている様子


道路脇には停められた一台の車


黄色い声が飛び交っている…


もしかして…


変な汗がでてくる


すると、私の隣にいた友人が


“何あの人めっちゃイケメンなんだけど！有名人？！”



と目を輝かせて言った


彼女の指をさした方向を見ると…



私の任務は失敗したみたいだ…


そこには、沢山の女子校生達に囲まれた


ウォヌ先輩がいた…

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