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「A_______」




静かな丘に、中也の声だけが響いていた。



普段は聞かないような、心地よくて、優しい声で、私の名前を呟く。




「何?」



一歩、中也に近付いた。



私は歩く。中也は動かない。




「俺は手前を許す事が出来ない。ポートマフィアの反逆者には、等しく制裁を加えなきゃならねぇ。」


「うん…………」




彼の、蒼くて綺麗な瞳が揺れた、気がした。



私は歩みを止めない。




「だから、今から手前を殺そうと思う。」


「……………うん」




やがて、私より数センチ高い彼の目の前に立った。


でも、怖くて視線を合わせられない。





私が顔を上げれば、全てが終わると分かっているのに。





「中也……1年前ね、多分、一目惚れだった。」


「……………」


「太宰じゃなくて、中也に。」


「……………」




私の言葉に、中也は答えない。



でも、私は構わずに云いたい事を云う。最後くらい、別にいいじゃないか。




「中也が居てくれたから、組織での苦しみを忘れる事ができた。」


「………………」




もうすぐ、日が沈もうとしていた。



夜になれば、ポートマフィアがヨコハマを仕切る時間だ。



早くしなきゃ、中也は遅刻だな。




「……………愛してる。」


「っ!!」




聞こえてきた言葉は、何処までも優しかった。



この言葉があるだけで、私の選択が間違っていなかったのだと、証明されるような気がする。





「……………私も!」




私はそう云って、顔を上げた。



優しく微笑んでいる中也と、初めて目を合わせた(・・・・・・・・・)







刹那、世界の動きが止まった。






「………御免ね、大好きだよ。」




彼が動くことが出来ないのをいい事に、私は1度だけ、今までで1番愛を込めてキスをした。



そのまま、彼に背を向けて歩き出す。






「…………私がスパイだってことが、彼にバレなければ、」






若しかしたら、永遠に一緒に居られたかもしれない。





でも、これでいい。


この道を選んだのは私だ。





_____これが、私が幸せでいられる唯一の道だから。






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鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください!やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす!! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい!! 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を!仰っているのですか!!先輩に勝ってるなんて!!そんな、勿体無いお言葉を………(泣)受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます!!超応援してます!!またお話しましょう!! (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!新作も頑張っていくので、よろしくお願いします!(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう!初作品とは思えないクオリティ……負けました(笑)これからも頑張ってね! (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年4月28日 22時

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