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story51*暖かく優しいその視線 ページ9

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ぎゅっと力を込められ、このまま潰されてしまいそうな感覚になる。



「だ、太宰さん……くるし……」


「君は何もしなくていい。心配する必要もない」



顔が見えないまま、そう言われ、私はとっさに返答出来なかった。


太宰さんに迷惑はかけたくない。口振りと……太宰さんの性格からして、また助けてくれるのかもしれない。


そんなのはだめだ。いつまでも甘えているだけじゃだめになってしまう。



「太宰さん……その、違うんです。確かにポートマフィアは怖いですけど、私も色々考えているんです」


「……というと?」


「狙いは私の異能力なのではないでしょうか」



私の幻覚を見せる能力は使い方によっては強い武器になる。


私の身体自体が目的ということは、私をポートマフィアに移籍させたいのではないかと考えたんだ。


私の見解を聞き、太宰さんはなんとも言えない表情になった。



「確かにそれもあると思う…………だけど、そうじゃないんだ」


「え?」


「君が、ポートマフィアに狙われる理由は……」



そこまで言って、唇は時が止まったかのように動かなくなってしまった。



「……だざい、さん?」



見たこともない顔だった。


悲しそうな、辛そうな顔。普段ならきっと誰にも見せてくれないその顔に、私は思わず口を結び、黙り込んでしまった。


……太宰さんは、何か知ってるんだ。



「太宰さん、もしかして」


「お願いだから」



私が口を開くよりも早く、太宰さんが顔を上げた。



「私に君を、守らせて」


「……っ」



最後に瞳を合わせたのはつい先程だった。


鋭くて冷たい、心臓まで刺すような視線。


……でも、今は違う。


自惚れでも自意識過剰でもない。そう分かる。



「だ、ざい……さ……」



暖かく優しい、慈愛に満ちた瞳。この人は私のことを好きでいてくれているのだと、すぐに分かる瞳。


心臓が早鐘を打って、収まらない。


嬉しくて、舞い上がりそうで、このまま死んでしまうのも悪くない気がしてくる。



「……わか、りました。確かに私じゃ何もできないことは分かりきっているので。太宰さんに全部、お願いします」



私の返答に満足したのか、太宰さんはほっとしたように微笑んだ。


優しくて、暖かい太宰さんのことが大好き。





……だからこそ、やっぱり好きな人に迷惑はかけたくないんです。




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りんご(プロフ) - はじめまして!読み漁っていて見つけてから一日で前作からここまで拝読させて頂きました!スラスラ読めて脳内再生も余裕という…凄いです…尊敬です!よろしければ続きが読みたいです…! (2020年11月2日 15時) (レス) id: 0c05c25a4f (このIDを非表示/違反報告)
心音ユイ(プロフ) - 続きを…与えてください… (2020年2月2日 9時) (レス) id: 7ab19ab3f9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - どうしよう...きゅんきゅんしすぎて心臓が痛いです!なんなんですか!最高すぎます!これからも頑張ってください! (2019年6月1日 22時) (レス) id: e724ba4185 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - 初めまして、このお話と作者様のファンになりました!これからも頑張ってください! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 32ca0aa653 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - わっふる。さん» コメントしてくれてありがとうございます!評価してくださってとてもうれしいです。これからもよろしくお願いします(^^) (2019年5月6日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2019年5月1日 12時

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