story5＊困ったワンルーム ページ7
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恥ずかしさから、小さなキッチンに逃げ込んだ私。
これはほぼ毎日の出来事なのだが、私は逃げたあとに問題解決になっていないことに気付くのだ。
「A〜……」
「うひゃあっ、」
困ったこと��
ワンルームなので逃げ場がない。
寮なので当たり前なのだが、この部屋は仕切りのないワンルーム。
布団から出ればわずか数秒でキッチンに着くのだ。
太宰さんはフライパンを出した私に、背後から覆いかぶさっている。
彼の髪の毛が首を掠め、くすぐったさから油断すれば震えてしまいそうだった。
「だざいさ……こ、この体制じゃ……料理出来ない、」
「料理なんていいさ。折角こうして早起きしたのだから、社に行くまでいちゃいちゃやってようよ。」
そう云って太宰さんは、
………………私の首筋に息を吹きかけた。
「！！？」
私は今度は布団のほうに避難する。
ちなみに、フライパンを落としてしまったので、物凄い騒音を伴っている。
しかしこんなのに毎日毎日動揺しているようでは、私は此処で生きていくのを諦めなければならない。
私は息を吸いこみ、心を落ち着かさせて云った。
「私の朝ごはん………食べてくれないんですか？」
しっかりと太宰さんの目を見て云えた事に安堵していると、彼が俯いた。
やっぱり、居候人が家主に何か意見するなんて烏滸がましがっただろうか………
そう考えていると、太宰さんは直ぐに顔を上げた。
「世渡りを覚えるの、早すぎだよ。」
そう云って立ち上がると、太宰さんは小さな机の前に腰を下ろした。
「……？」
「何してるの。」
太宰さんの優しい声が、私の耳に溶け込むようだった。
しっかりと私の目を見据えると、ふわりと微笑む。
「朝ごはん、作ってくれるんでしょ？」
「…………は、はい！」
私は慌ててまたキッチンに向かった。
料理中、突き刺さる視線を気にしないようにするのは大変だけど………
ずっと見詰められているのも、悪くないかもしれない。
「このお部屋だと、何をしてても太宰さんに守られてる気がしますね！」
私は卵を落としたフライパンを片手に、明るい口調で太宰さんに語りかけた。
しかし、返事が返ってこない。
振り向くと、太宰さんは机に突っ伏していた。
眠いのかな……？
そう考え、今は放っておくことにした。
困ったワンルームも、たまに嬉しくなってしまうのです。
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鈴蘭(プロフ) - ウナさん» 私も書いててひえええってなってます笑（？） (2019年4月30日 12時) (
レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みそしる大臣さん» そんなドキドキをお届けできているなんて嬉しい限りです(^^) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - SAKA0829093さん» ありがとうございます！ダラダラ更新で本当すみません… (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - もうヤバイですマジでもうヤバイですよ！！！！ひええええってなります（？） (2019年4月3日 19時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - 夢主より僕の方が早くキュン死にしそうだ…心臓が持たない！ (2019年3月30日 23時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年5月25日 1時
