私の命で。【マクロスΔ】

【２７】 ページ36

Aside

「……フレイア！そこはもう少し早く！」

「は、はいな！すみません！」

今指摘されたのはフレイアちゃんだったけど、私もいつ言われるかわからないぐらい、ギリギリで着いていっている状況だ。

「それじゃあ、そろそろ通しで踊りましょうか」

「は、はい」

私が答えると、あの曲の伴奏が流れ出した。

[恋！ハレイション THE WAR]

滲む汗。上がる息。

とりあえず着いていけてはいるけど、このままじゃ……。

すると、オーディション会場全面が大きなスクリーンになった。

「……っ！」

そこに映し出されたのは、こちらに向かってくるヴァール。

しかも、次のパートは私の番だ。
どうしよう。怖い。

……いや、だめだ！私は……ワルキューレに！

「〜♪」

私はしっかりとした声で歌った。
もちろん、ダンスも出来る限り上手く踊った。

スクリーンに映し出されたヴァールは本当にリアルで、今にもスクリーンを突き破って私を襲ってしまいそうだった。

だけど、ここで怯んでどうする。

そう思って、全力でやりきった。

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