私のすべてを知っている《事件編》

皆… ページ13

彩side
12月25日19時40分


気がつくと、私は家のベッドにいた。

「お姉ちゃん？お姉ちゃん！お姉〜ちゃ〜ん！」
奈子が泣いてる。

だるいし、熱いし、体のあちこちが痛い。

「奈子？どうしたの？」
そう聞いた声がすごくか細くて、自分でも驚いた。

「お姉ちゃん！」
奈子がさらに泣く。

「大丈夫だよ。」
何が大丈夫なのかわからないまま言った。
記憶がない。

ふと見ると、後ろに探偵チームの皆がいた。

「えぇ？」
私はガバッと起き上がる。

「うぅっっっ。」
あまりの痛さに思わずうめき声をあげてしまう。

そんな私を見て皆が眉をひそめる。

…思い出した。
追いかけられた男の人
引っ張られる髪の毛
叩かれた頬
助けに来てくれた翼
戦う翼

鮮明に浮かび上がる。

あっ。
「翼は？大丈夫なの？」

小さな声しか出ない。
皆がまた眉をひそめる。

「俺は平気だよ。ちょっと疲れて転がってただけ。」

「ほんと…に…？」

声が出にくい。


「俺たち、アーヤが寝てる間、話あったことがあるんだ。」

え？
時計を見る。
…19時45分
1時間以上寝てたんだ。
今、秀明の時間真っ最中じゃん！

「皆…、秀明…は…？」

「行けるわけないじゃん。」
「不安で仕方ないんだよ。」
「俺…たちがアーヤを放っとくわけないでしょ。」
「何があった。」
「ちゃんと説明してくれ。」

皆…

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