完璧ダーリンさん。【 センラ 】

実はオオカミ ページ7

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9時に朝礼がある。その朝礼は各課で済まされ、誰が休んでいるのか などのボードを朝礼が終わればこちらに持ってくる。


｢営業課朝礼終わりました〜｣

センラさんだ。会社でゆっくり話す機会も無いので、会えたりしたらそれだけで嬉しくなる。

｢お疲れ様です。ボード貰いますね｣

｢Aさんや、今日センラは定時で帰れる予定ですよ｣

｢えっ……！｣

｢うわ、嬉しそうな顔。という訳で、ロビー集合｣

仕事がんばってな とひらりと手を振りながら去っていった。かっこいい。かっこよすぎる。

｢ほんっとラブラブだね｣

楓さんが、微笑ましそうにそう言った。そうだ、さっきの場には楓さんもいた。完全に二人の世界を作ってしまっていた。恥ずかしい……。

｢でもぉ、折原さんってぇ……実は家ではオオカミ？｣

あざとくウインクをした彼女は自分の鎖骨の下を指さした。
鎖骨の下……と視線をそこにやれば、赤い跡。ひゃっっと乙女みたいな声が出て、顔が熱くなった。


｢普段は見えてないけど前屈みになったら見えるから気をつけなよ｣


見えない場所にセンラさんが付けたって安心していたが、全然安心できないじゃないか。もしかしてコレも計算済み……？恐ろしい、恐ろしすぎます。

｢楓さんは彼氏さんとは最近どうです……？｣

彼女にも彼氏がいる。会社はここでは無いけど、たまに楓さんを迎えにここに来たりする。ラブラブだ。

｢Aに劣らずラブラブなんだなぁこれが！｣

ふふん と自慢するように楓さんは胸を張った。ちょっと！ 大きな胸を主張しないで下さい！

｢4月から営業課の女の子はきっとセンラさんにメロメロなんだろうな……｣

｢折原さんは金髪爽やか系イケメンだからね。Aが彼女になる前は結構チャラかったし。今はあんた一途って感じだけどね｣

一途 と言う言葉にえへへ と照れてるあいだに、新入社員にモテていくセンラさんを想像してゾワゾワする。つまり百面相。

｢去年はもうかなりモテモテだった……｣

｢やばかったねぇ。でもしつこい子いなくてAが彼女って分かったら引き下がってくれたけどね｣

そう。去年はいい子ちゃんだらけだった。今でも昼食に混ぜてくれたりするいい子ちゃんだ。そしてかわいい。

今年もそうだといいなぁと考えたが、これ、フラグ立ててしまっているのでは？ と1人で青ざめた。



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