天才彼氏 ページ3
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センラさんは、私と同じ会社で働いている。うちの会社でもかなりハードで社畜な営業課に所属している。そんなハードな職でもやりこなしてしまうセンラさんはやはり天才。
そんなセンラさんは、私の彼氏……です。恐れ多いけど、事実なんです。
彼のステータスは『仕事が出来る』だけじゃあ終わらない。
ひとつ、身長が高い。私が150センチと低身長なので、175センチの彼との身長差は25センチだ。
ふたつ、顔がいい。肌は白いし鼻は高い。クリっとはしていないけど大きな目に、蜂蜜みたいな綺麗な瞳。まつ毛は長いし眉毛は整ってるし。まだまだかっこいい部分はあるけど、あげたらキリがない! つまりすごくかっこいいんです!
みっつ、性格がいい。センラさんはとっても、とっってもいい人だ。自分の仕事もしながら周りをしっかりと見ることの出来る広い視野を持っている。だから自分の仕事+αで周りの気遣いもサポートもできる。そりゃあ社内でめちゃめちゃモテますよ。私のセンラさんなんですけどね。
以上がセンラさんがすごい! 演説でした。
腕を広げている彼の中に入り込む。そのまま腕が背中に回されてすっぽりと収まってしまう。胸に顔を押し付けて服の裾をぎゅっと握った。
「かわいいことするなぁ。今日は疲れたやろ?」
「はい……。もうむり……」
グリグリと頭を押し付ければ、頭をゆっくり撫でられる。とりあえずご飯食べよか と肩を持って私達の距離を剥がした。
覗き込まれるように見つめられて、その蜂蜜みたいにトロトロした黄色い目と視線が絡まる。彼の熱っぽい視線にキュンとして、逸らせない。ずっと見ていたいと思った。
そのまま見つめていれば、フッ と小さく微笑んでから私の唇を簡単に奪った。唇に触れたあとの余韻と共に、フワッと甘いチョコレートの味がした。
あまりにも自然な動きに、心臓をバクバク鳴らして顔に熱を集めた。そんな私の顔を見て、またセンラさんは微笑んだ。
「チューして欲しいって顔に書いてたで?」
「は……!? 書いてません! ばか!」
「ふはは! センラには見えました! 残念やなぁー!」
今度こそご飯食べるで! と私の手を引いて廊下をずかずかと歩いていくセンラさん。彼に勝てる日は来るのだろうか。
「センラさん、チョコレート食べましたね?」
「バレた? 冷蔵庫にあったのん! いつあんなん買ったっけなぁ〜」
「え……それ、私が買ったやつです! 食べるの楽しみにしてたのに……」
「…………」
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すずらん(プロフ) - 気まぐれさんさん» 1年前から読んでいて下さりありがとうございます(;;) 他の作品まで! 嬉しいです!!(;;) とても励みになります、ありがとうございました◎ (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます(;;) 必ず完結させるつもりですので、待っていてもらえるととても喜びます◎ (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - 雨宮しおりさん» 1年前から読んでいて下さりありがとうございます!!(;;) 私よりも遥かに文章力のある方に褒めて頂けてにやけてしまいました。雨宮しおり様も執筆活動の方頑張ってください!(*^^*) (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます!(;;) 大好き、応援してる、等すべて励みになります! 更新が遅いにも関わらず、待っていていただきありがとうございました! (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
気まぐれさん(プロフ) - 一年前から読ませてもらってます!!すずらんさんの他の作品も好きなので楽しみに待ってました!!続きのお話しどうなるんだろうと不安に思いつつ、楽しみに待っていたのでまた更新されて嬉しいです!!作者様のペースで無理せず頑張ってください!! (2021年6月22日 6時) (レス) id: 29504c3438 (このIDを非表示/違反報告)
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