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名古屋駅 新幹線が来るまであと5分。
いよいよ、お別れを感じてくる。
センラくんがくれたピアス 笑った顔 。……否、もう彼の存在全てが胸に焼き付く様だ。
伝えるつもりが無かったが、彼に気持ちを伝えようと思う。
(センラくんが私に気がないことくらい、分かってるよ)
叶わないと分かっているのに、なんで伝えるの?
『叶わないと分かっているけど、最後に気持ちを伝えてスッキリしたい』なんて、そんな綺麗事は残念ながら私には言えない。
電車が止まった。
「電車、来ちゃったね」
扉が開いた。
「センラくん、今まで本当にありがとう。ずっとずっと大好きでした。さようなら」
こうやって気持ちを伝えれば、彼の記憶の中に私は居続けるでしょう?
「そういえば扉が閉まる瞬間に告白してきた女おったわ」と、遠い未来で彼が私の話題を喋るかもしれない。
良い風でも、悪い風にでも、別にどちらでもいい。彼の記憶に私がいるのなら。
(こんな最低な理由で、告白してごめんなさい)
くるりと背を向けて、扉が閉まる音だけを聞いた。
「____なんやねん、それっ……!」
聞こえるはずがないセンラくんの声が、何故か聞こえてきた。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2021年8月3日 12時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
らfkー - 泣きましたぁ神作ありがとうございました!!!!! (2019年12月12日 14時) (レス) id: f4912de284 (このIDを非表示/違反報告)
_clt(プロフ) - これはもっと伸びるべき……!!!最&高でした!めっちゃきゅんきゅんしましたありがとうございます! (2019年11月18日 22時) (レス) id: d16c5ecaad (このIDを非表示/違反報告)
りんこん(プロフ) - とっても好きです!素敵です!自然できゅんとしましたw (2019年11月9日 17時) (レス) id: e1283a6a6e (このIDを非表示/違反報告)
Reyna - うわぁぁ。すごくいい作品で感動しました! (2019年11月9日 17時) (レス) id: ba70aa4ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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