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13 大切だから ページ14

大貴 side



目を覚ますと、保健室にいた。そばには、光と慧の姿が。



大貴「光、慧……」


光「大貴! よかった……」


大貴「俺、一体……」



……ああ、そうだ。俺、加藤たちに襲われたんだ。


それで、光と慧、そして山田が助けてくれたんだ。



大貴「っ、あの、おれ……」


慧「大ちゃん。俺言ったよね? 変な人に目をつけられたらどうするの? って。で、実際に襲われてどう? これでもまだうるさいって言う?」



慧は怒っていた。



大貴「……ごめん、なさい……」


慧「……大貴には、純粋に育って欲しかった。それで、こういうことは一切教えてこなかったけど……教えなきゃ、ダメみたいだね」



慧が「大貴」と呼んでくるのは、本気のとき。


俺、本気で慧のこと……。



慧「でも、これでわかったよね? あの格好でいたら、どんなことになるのか。反省した?」


大貴「ごめん、なさい……」



泣いちゃダメ。そう思っても、涙が溢れてくる。


すると、「はぁ」というため息が聞こえた。その直後、抱きしめられた。


俺……慧に、抱きしめられた?



慧「……ごめんね。ちょっと怖く怒りすぎた」


大貴「け、い……」


慧「でもね、大ちゃん。これだけはわかって欲しい。俺たちは、大ちゃんのことが大切なの。傷ついて欲しくないの。辛い思いとか、悲しい思いとかをさせたくないの。わかった?」


大貴「っ、うんっ……」


慧「よしよし、いい子」



俺は、慧の背中に腕を回した。慧もさらに抱き締め返してくれる。



大貴「グスッ……ごめんなさぁい……」


慧「もういいよ。大ちゃんが無事でよかった」


光「うん。それが何よりだよ」



慧と光は、俺を撫でてくれた。それが、心地よかった。

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作者名:すず | 作成日時:2020年11月3日 11時

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