お仕事じゅうごこめ。 ページ16
録音が終わった。
やっと終わった。
…と言っても、まだスタジオの中なのだが。
きっと今私の顔色は、死ぬ直前なんじゃないかってくらい悪いだろう。
豪華メンバー+はじめての録音なんて濃すぎて疲れる。
……もちろん、楽しくもあったけれど。
そんなこんなでぐったりしている私に、センラさんが声をかけてきた。
「大丈夫?少し休む?車運転するのAやろ?」
『ありがとう、センラさん。ごめん、ちょっとだけいい?』
「ええで。じゃあ10分したら起こすな。」
こんなとき、センラさんの気遣いは本当に嬉しい。ありがたく、休ませてもらおう。
疲れていた私は、椅子にもたれ掛かって意識を沈ませた。
.
「A。10分たったで。おはようさん。」
センラさんが私の肩を優しく叩く。
寝起きの頭に、やわらかい京都弁は心地よく、すごく目覚めは良かった。
『…ん。ありがとうセンラさん…。』
「こちらこそ。今日はAに無理させてしもたし。」
『ううん。楽しかったよ。じゃあ、帰ろっか。』
「じゃあ他の3人も呼んでくるな〜。」
センラさんが3人を呼んできてくれるらしい。
じゃあ、私は車の準備でもするか。
.
「なあなあ、さっきのLINEの会議の写真見た?」
今は信号待ち中。
車の中では、4人が会話していた。
しかも、ちょっとうるさい。
もう少しボリューム下げてくれないかな。ナビが聞こえない。
誰か声が大きいの気づかないかな。
「見たで!あれ、誰が撮ったん?笑」
「センラらしいで。」
「あれ、最高ですよね?さすが俺。天才。」
ああ、もう絶対気づかないな。
諦めが早いって言われると思うけど、この4人はお喋りスイッチが入ると、なかなか止まらないんだから仕方ない。
『…ねえ。もう少し静かに話してくれない?』
「えー。この話、Aにも関係あるんやでー?」
「せやで。これ見てみ。」
そうやって、志麻くんにミラー越しに見せられた1枚の画像。
それを見て、私は絶句した。
それは、なんと私の寝顔だった。
いつ撮ったんだ、こんなの。
「あはは!やばくね!笑」
「この画像、マジで口が半開きなとことか最高やわ笑」
「センラ、ナイスやでー!笑」
「もっと褒め称えても良いんですよ?笑」
『…今すぐにその画像データを削除して。4人とも、後で覚えとけよ。』
本当にありえない。
これは家に帰ったらお説教コースかな…。
……私を少しくらい休ませて。
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唄羽 - やwばいww笑いすぎてほっぺが痛い…wwそして、たまにあるイケメン要素(?)がたまらないぃ…!とにかくこの作品、大ッ好きです!更新ふぁいとです〜! (2020年2月9日 23時) (レス) id: c457855cc9 (このIDを非表示/違反報告)
かみあ@深夜浮上多めです - とてもとても好きです! これからも更新頑張って下さいっ!!! (2020年2月7日 1時) (レス) id: b637badbe5 (このIDを非表示/違反報告)
Alt(プロフ) - 200個目の評価頂きましたァァアアア!!(180くらいからめっちゃ待ってた←) (変なところでこだわる人) もう好きが溢れてます(?)これからもファイトです! (2020年2月6日 19時) (レス) id: 170cb0dc1b (このIDを非表示/違反報告)
雪 - とても面白くて大好きです! これからも更新頑張ってください! (2019年12月30日 19時) (レス) id: 29e4317738 (このIDを非表示/違反報告)
Яaito - そらるさんの「夜動いたらお腹空いちゃうでしょ?」は思わず吹いちゃいました(笑)更新頑張ってください! (2019年6月14日 21時) (レス) id: 6f412a630c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋 | 作成日時:2019年4月6日 19時