真夜中Jealousy (ページ29)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:15,453 hit

29話ページ29

～いつものカクテル？～天月side

カランカラン

「いらっしゃいませ。店内自由席となっています。ご自由なところにお座り下さい。」

Aの声でお客さんたちはカウンター席、テーブル席と自由に座る。

僕らはそれを見届けると。注文を受け足りに行く。

「すみません」

「はい？」

声をかけられた方に振り向くと、少し小柄な女性がいた。

「あのー、真冬さんにいつも作ってもらってるやつを飲みたくて…分かりますか？」

真冬がいつも作ってるやつ…？
僕も最近戻ったばっかだから、それが何を指すのかもわからないし、生憎今は真冬が裏にいてここにいない。

「あー、えっと、そのカクテルの色や飾りってわかりますか？」

「たしか、ライムが入ってた気が…」

…ライムが入ってるものは相当ある…
絞りきれない…どうするか。
そんなことを考えている時。

A「…たしか、真冬の、常連さんですよね！！」

とAが横から顔を出した。

「あ、はい。そうです」

A「…いらっしゃいませ。もしかしてカイピロスカをご注文ですか？」

「！？そうです」

「かしこまりました。すぐお持ちしますね」

彼女は素早く注文をとり、カウンターへ向かった。
俺は呆然と彼女を見てると

「あの…」とさっきの彼女が話しかけてきた
俺は「はい？どうしました？」と問いかける

「翔太さんですよね、私いつも来てたので覚えてます。」

一瞬戸惑ったけど

「そうなんですか？？光栄です」

となんとかその場を凌ぐ

「いつもすごく楽しそうにカクテル作ってましたから。」

「観察好きなんですね。また是非暖かく見守ってください」

…たまにはこういうのも悪くないかな
そんなことを思いながら、頬を赤らめた彼女から離れ次の注文を取りに行った。

【カイピロスカ】
意味:明日への期待