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妹…か。
そうだよね。
そう見えちゃうよね。
女性は私と目が合うと人懐っこい笑顔でこんにちはと言う。
私も小さくお辞儀をして挨拶を返した。
「妹じゃねぇよ」
「もしかしてデート中だった!?」
「ちが、」
「そうだけど」
「!」
否定しようとすればそれはラウールさんに遮られて、驚いて彼を見た。
真っ直ぐに英里さんを見つめていた。
「ごめん、邪魔しちゃった」
「んとだよ。いいとこだったのに」
「あは!なによいいとこって。うぶうぶラウちゃんはお外でなにしようとしてたのかな〜?」
「だるいだるい」
2人のやりとりを見て思う。
私の知らない過去で深い関係だったのだろうと。
一気に胸が苦しくなって視界が歪んできて、このままじゃまずいことになる。
「わっ、私、家ここで!もう帰るところだったので全然邪魔じゃないです!失礼します!」
「あ、Aちゃん、」
ラウールさんが呼ぶのを聞こえないふりして急いで家の中へ入った。
そしてそのまま玄関にしゃがみこむ。
「おかえりー…ってどうしたの?」
「…」
「…ほら、とりあえず上がりなさい」
「うん、」
よかった。
ラウールさんに泣き顔を見られなくて。
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年9月21日 16時