私の後輩サクマくん

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『涼太くん』


宮「うん？」


『お悩み相談教室開いてください』


宮「…こちらにおかけください」


『失礼します』



涼太くんの前の席に座って膝を揃える。


そして彼の机に突っ伏した。



『最近佐久間くんから避けられてる気がするぅ…』


宮「よしよし。なんでそう思ったのか聞かせてくれる？」


『うん…』



まずは佐久間くんが完全復活した月曜日。


部活終わりに一緒に帰ろうとしたら教室に忘れ物をしたから先に帰ってと言った佐久間くん。


翌日、今日は親が迎えに来るから一緒に帰れないと言われた。


その次の日は部活が休み。


校内で彼を見つけて目が合ったから手を振ろうとしたらすぐに目を逸らして早歩きでどこかへ行ってしまった。


そして昨日、まだ走りたいから家まで走りますと言われた。



『さすがに家まで走りますは苦しい理由じゃない？』


宮「…たしかに」


『やっぱり避けられてるよね、私』


宮「いやぁ」


『…』


宮「んーと、なんていうか…Aちゃんが嫌なわけじゃないと思う」


『それって避けてることには避けてるってことだよね？』


宮「…」


『やっぱりそうなんだ…』


宮「あー待って落ち込まないで」


『…？』


宮「佐久間くんなりの理由があるんだよ」


『理由、』


宮「きっと佐久間くんに聞いても教えてもらえないし、残念ながら俺が教えることもできない。けど、」


『けど？』


宮「渡辺先輩ならなにかヒントを教えてくれるかも」


『そっか。あの人口軽いもんね』


宮「おお、容赦ない」



今日もきっと佐久間くんは私と一緒に帰らなくていいように何かしらの理由をつけてくるに違いない。


だったら最初から渡辺先輩を誘って駅まで送ってもらって、佐久間くんが私を避けている理由を聞いてみよう。

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