20 side:your ページ20
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翔太が家から出て、入れ替わるようにあの人が帰宅した。
「たっだいまー。いやーパパ疲れちゃったなー」
「…」
私が基本的に返事をしないことには慣れているのか催促することなくお風呂へ向かう。
___お父さんと思って接してあげなよ。
翔太の言葉が頭の中を過ぎった。
わかってる。
彼がいかに私に愛情を注いでここまで育ててきてくれたかなんて。
無愛想で、ウザがって無視するのにずっと変わらない態度で私を本当の娘のように扱ってくれている。
毎日一緒に過ごす中で特に彼からの愛情を感じるのは、ご飯。
毎朝、起きたらあたたかい朝ごはんを作ってくれている。
寝癖がつきまくった頭のまま、大きな欠伸をして。
お昼はいつもお弁当。
中学校の時、このお弁当にさえも助けられた。
憂鬱だった学校の唯一の楽しみ。
たまに下手くそなキャラ弁。
でも味は美味しくて。
夜は仕事終わりに私のリクエストを聞いて作ってくれる。
洗濯や掃除、できる範囲のことは私もやるけれど気づけば隣に並んで洗濯物を干してくれたり、私がまだ手をつけていない場所を掃除してくれたり。
本当にあの人への感謝は何度ありがとうを言ったってどんな高級品を買ってプレゼントしたって返しきれないのだ。
私が知る限りではあの人はずっと独り身で、自由が大好きな人。
私がいることで少なからず彼の自由を奪ってしまっている。
だからせめて、と高校へ行く選択肢を捨てた。
高校は義務教育じゃない。
それなりにお金もかかる。
別にお金がないわけじゃない。
でも、これ以上あの人の負担になりたくない。
言葉で伝えるのは難しいけれど私なりの配慮だった。
本当はお父さんって呼びたい。
でも呼べない、認めたくない。
「…一服しよ」
彼がお風呂に入っている間にベランダへ出た。
手すりに腕を乗せて顎を預けて、煙草を口にくわえたままふわふわと登っていく紫煙を眺めた。
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涼-suzu-(プロフ) - 白昼夢さん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。こちらこそこれからも涼さんの作品を愛してあげてくださいませ( ˶'ᵕ'˶ ) (2023年3月31日 15時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 初めまして！新作待ってました（ ; ; ）ずっと陰ながら応援させていただいて、、凉さんの作品全部読み漁るほど大好きなんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`これからも素晴らしい作品お待ちしてます！頑張ってください！！！ (2023年3月31日 0時) (レス) id: 40e11ba78b (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 茉子さん» 泣かせてしまってごめんなさい(´；ω；｀)いつも私の作品を読んでくださってありがとうございます。私も大好きです！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» ツンデレとツンデレのコラボ(？)です！幸せにするんで一生ついてきてください(もはやプロポーズ) (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
茉子(プロフ) - 泣いたんですが😭子どもへの気持ち分かるだけに…続きも楽しみです。涼さんの作品全部読んでます☆大好きです😊 (2023年3月28日 18時) (レス) @page24 id: 0c861b61c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2023年3月26日 15時
