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しばらく待っているとゆっくりとドアが開いてAが顔を出す。
「翔太、」
「よ」
「どうしたの?」
「これ」
「ドーナツ?」
「この間自転車直してくれたお礼。ドーナツ好きって聞いて」
「ありがとう。聞いたって、あの人から?」
「うん。でもどんなのが好きかわかんなくて、もちもちのやつとオールドファッションのプレーン…にした」
彼女は紙袋を受け取って俺を手招きする。
戸惑いながらも家の中へ入った。
初めて入ったAの家。
造りは同じはずなのに全く知らない場所みたいで少し緊張する。
「おお、びっくりした」
ソファーに座ったらあの時の子猫が俺の隣に座る。
触ろうとしたけどやっぱりちょっと怖くて手を引っ込めた。
「りんごジュース、」
「ん、さんきゅ」
テーブルにグラスを2つ並べて置く。
ドーナツの箱を開けてもちもちの方を手に取った。
そのまま俺の隣に腰掛けて肩が触れ合う。
「…はい」
「え」
「はんぶんこ」
「いやいや、それはだって…」
Aが俺の手を掴んで半分にしたドーナツを握らせた。
もう半分はAの手の中で、もうすでに食べ始めている。
「ユキにはあげられないよ」
彼女の膝の上でドーナツに興味津々の子猫。
あげられないと伝えても猫にわかるわけないけれど、Aから奪って食べようとするなんてこともなく大人しくしていた。
彼女がドーナツを食べると、本当にもちもちという効果音が出てきそうな食べ方で。
不覚にもかわいいと思ってしまった。
「翔太?」
「え、ああ…俺もじゃあいただきます」
オールドファッションも半分にして2人で食べた。
ドーナツ好きって言う割にはいつもと変わらない平然とした表情だったけど、本当に好きなのか?
でも一応食べてはくれた。
りんごジュースをゴクゴクと飲み干すAの膝で、ユキはもうすっかり眠ってしまっている。
グラスの雫が1滴、ユキの耳の上に落ちてしまって耳を震わせるけど起きる気配はない。
「私、別にドーナツが好きなわけじゃない」
「え?」
「好きなんだけど、そうじゃないの」
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涼-suzu-(プロフ) - 白昼夢さん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。こちらこそこれからも涼さんの作品を愛してあげてくださいませ( ˶'ᵕ'˶ ) (2023年3月31日 15時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 初めまして！新作待ってました（ ; ; ）ずっと陰ながら応援させていただいて、、凉さんの作品全部読み漁るほど大好きなんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`これからも素晴らしい作品お待ちしてます！頑張ってください！！！ (2023年3月31日 0時) (レス) id: 40e11ba78b (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 茉子さん» 泣かせてしまってごめんなさい(´；ω；｀)いつも私の作品を読んでくださってありがとうございます。私も大好きです！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» ツンデレとツンデレのコラボ(？)です！幸せにするんで一生ついてきてください(もはやプロポーズ) (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
茉子(プロフ) - 泣いたんですが😭子どもへの気持ち分かるだけに…続きも楽しみです。涼さんの作品全部読んでます☆大好きです😊 (2023年3月28日 18時) (レス) @page24 id: 0c861b61c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2023年3月26日 15時
