Sweet Sunny! (ページ3)

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ホームルームが終われば向井くんの周りには人が沢山。

女子も男子も。

転校初日ですぐにクラスの注目の的になるなんて、すごい。

向井くんこそ真ん中の席でいいと思う。

なんで1番後ろの1番端なの?

…席、代わってくれないかな。

放課後、校舎の近くにあるガーデニングスペースへ行く。

校長先生が、ガーデニングが趣味で育てている花。

ある日、その花壇を眺めていると校長先生が来て花の話で盛り上がり私にも育てたい花があれば、とスペースを少し分けてくれた。

それから学校の日はいつも放課後ここに来て水をあげることがすっかり日課。

夏休みは校長先生がお世話してくれることになっていたけど私も様子が気になってたまに顔を出して水やりをしたり、校長先生と話したりした。

「コスモスやん」

「ひっ!」

急に話しかけられたから変な声出ちゃった…。

「あ、ごめんびっくりさせてもーた」

「…いえ」

「同じクラスやんな?」

「…!はい」

あんなに目立たないし一言も喋ってないのに私の存在を認識してた…?

「ごめん、名前聞いてもええ?」

「春崎Aです」

「ハルサキ…?珍しい苗字やな!」

「そう…ですね。親族以外で今のところ出会ったことは、ない、です」

「なぁー…なんで敬語なんよぉ。同い年なんやしそういうのはナシナシ!あと、俺のことは康二って呼んでや」

ニコニコしながらぶわーっと一気に話す向井くん。

敬語は外せるにしても…康二なんて呼べない。
レベルが高すぎる。

同級生と話したのなんてどのくらいぶりだろう。

どう接していいのかわからないけどなんだか温かい気持ちになった。