Scene07 ページ23
＿
「…あがる？」
「いや、ここで」
「そっか。じゃあ…またな」
「おう、また集まろうぜ」
「Aちゃんのこと、よろしく」
「ん」
あの後迷った末、ふっかが打ったチャットをそのまま送信したらすぐに既読は付いたけど返事は来ない。
帰ったかと思ったけど、やっぱり照が元々送る予定だったから家にいるはずだと言われて照の家の前まで来た。
3分経ったくらいで家の扉が開く音がして振り返るとAが立っていた。
「よ」
「…こんばんは」
「…あ、タクシー呼んでなかったわ」
待ってる間考え事をしていたらすっかり忘れていた。
送るって言ったのに。
「大丈夫、です」
「え？」
「歩いて帰れる距離、なので」
「あ、そうなの」
「渡辺くんこそ、大丈夫なんですか」
「何が？」
「早く、お家に帰った方が…」
「Aのこと送ったらすぐ帰るから心配すんな」
Aは何か考えているようだったがゆっくりと歩いて俺の横に立つ。
「…じゃあ、お願いします」
暗闇でも分かるライトブラウンの瞳が俺の目を捕らえた。
この吸い寄せられてく感覚、久しぶりだ。
自分でも鼓動が早まったのが分かる。
「…渡辺くん？」
「あ、わり。行こっか」
Aの隣を歩くのも、いつぶりだろうか。
あの頃は俺がクセの強い先生の真似をして笑いあったり、テスト前には英単語の問題を出し合ったりしてAを送って帰ってた。
だけどあんなことがあってから、今までのことが全てなかったかのようにピタリとなくなってしまった。
自分のせいでそうなってしまったからこそ、またこうして並んで歩けるなんて、奇跡だと思った。
「今日、楽しかったですか？」
「え」
「あ、いや、ご、ごめんなさい」
まさか話しかけられるとは思ってなくて、上手く受け答えができなかっただけなのに、謝られてしまった。
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涼-suzu-(プロフ) - ピカンチ★さん» コメントありがとうございます！何回でも読んでにやけに来ていただけると嬉しいです(貪欲) (2022年3月24日 15時) (
レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
ピカンチ★(プロフ) - 口がにやけて奥歯がむず痒いです！素敵なお話に出会えて嬉しいです！続き読みにいって参ります (2022年3月23日 22時) (レス) @page48 id: 7ecf4502c1 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - いくらさん» コメントありがとうございます。しょぴまる頑張りますので最後まで見届けてあげてください…！ (2022年1月13日 0時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - 面白いです！しょっぴーがんばれ！！ (2022年1月12日 21時) (レス) @page23 id: d9e219f567 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - のるーんさん» お心遣いありがとうございます…m(_ _)m期待に添えられるか分かりませんが最後まで楽しんでよんでかいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします！ (2022年1月9日 4時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2022年1月8日 0時
