ブルーサイダー

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3日目。

おばあちゃんが家事をする音を聞きながら夏休みの課題をテーブルに広げる。

ラウールくんと図書館で勉強した日がすごく前のよう。

ラウールくん、今何してるのかな。

気になるけど…数学があと少しだから終わらせて連絡してみよっかな。

そう考えたら課題も捗って、ラウールくんから教えてもらったことを思い出しながら解いていく。


「終わったー…」

「お疲れ」

「うわぁっ!!!」

「人をオバケみたいな目で見るな」

「だって、翔太くん、いつからっ…!?」

「おばあちゃんに用事あって来たんだけどAいるからあがってく?って言われたから」


不意に呼び捨てにされた名前にドキッとする。

友達はみんな私の事を苗字の幸村から"ゆっきー"と呼ぶから名前で呼ばれることに慣れていない。


「そしたらすんげー集中してて全然俺に気づいてなくて、いつ気づくかなって待ってた」

「え、ごめん」

「ふは、いいよ。必死に勉強してるとこなんか可愛かったし」

「ねえなんか私の事バカにしてる?」

「ないない、大丈夫」


テキトーに返事をされて終わったばかりの私の数学の課題を手に取ってパラパラと捲る翔太くん。


「なつかしー」

「昨年の話でしょ」


翔太くんの手が止まり、一点を見つめはじめた。


「どうしたの?」

「…いや」


身を乗り出して課題を覗き込むと明らかに回答には関係のないことが書かれていた。

起きろーとか髪サラサラだねとか…。


「ラウぴょんでーす…?」

「こないだ一緒にラウールくんと勉強した時だ…」

「ラウールくん、」

「同級生の友達。ハーフの子ですっごくイケメンで身長高くて、脚長すぎるくらい長いの」

「ふーん」


ていうか髪サラサラって…寝てる間にラウールくんから触られてた!?

その事実に顔が熱くなる。


「…好きなんだ?」


翔太くんとはあと1週間だし言ってもいいか。

茶化されそうだけど。


「うん、好き」

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